2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

戯曲の読み方(戯曲を深く読みこむために)

おすすめ! 戯曲の読み方(戯曲を深く読みこむために) デヴィッド・ボール 常田景子訳 2003 ブロンズ新社 【「BOOK」データベースより】 芝居を成功させるためには、戯曲の構造やポイントを本当に理解する必要がある。一体どう読めば、ムードだけでなく…

いじめの社会理論―その生態学的秩序の生成と解体

いじめの社会理論―その生態学的秩序の生成と解体 内藤 朝雄 柏書房 2001 【「BOOK」データベースより】 "世界のとらえどころ無き欠如"に始まる"全能感のもて遊び"と"集団の祝祭"の追求、"倒錯するタフネス"の変容の果てに具現するいじめ秩序を、心理的構…

センスをみがく文章上達事典ー魅力ある文章を書く59のヒント

センスをみがく文章上達事典ー魅力ある文章を書く59のヒント 中村明 2005 東京堂出版 【「BOOK」データベースより】 文章を書くうえでの基本的な作法から効果を高めるさまざまな表現技術。そして文章の奥にいる人のけはいを映し出す表現の形と心まで日…

姑獲鳥の夏

姑獲鳥の夏 京極夏彦 2005 講談社 【カヴァーより】 【上巻】 「二十箇月もの間子供を身篭っていることができると思うかい?」。昭和二十七年の夏、三文文士の関口巽は東京は雑司ケ谷にある久遠寺医院の娘にまつわる奇怪な噂を耳にする。しかも、密室から…

赤を見る(感覚の進化と意識の存在理由)

赤を見る(感覚の進化と意識の存在理由) ニコラス・ハンフリー 柴田裕之訳 2006 紀伊國屋書店 【カヴァー折口より】 脳科学や心理学がいくら進歩したといっても、「視覚のクオリア」という用語が示すように、「私たちはいったい何を見ているのか」を記述…

我感ずる、ゆえに我あり

「センティオ・エルゴ・スム、我感ずる、ゆえに我あり。」 感性の起源 P197 より まさにそう。 私という認識主体は世界を感じる。それこそが私。 「考える」私があると同時に、世界を「感じる」私がいる。 人は考える存在。考えることは一見理性的なこと…

図解雑学 ミクロ経済学

図解雑学 ミクロ経済学 嶋村紘輝・横山将義著 2003 ナツメ社 【表紙より】 わたしたちの生活において、経済の占めるウェイトは非常に高いものがあります。 「ミクロ経済学」は、経済を構成する個々の家計(個人、消費者)や企業(生産者)に注目して、経…

鉄道員(ぽっぽや)

鉄道員(ぽっぽや) 浅田次郎 2000 集英社 【裏表紙より】 娘を亡くした日も、妻を亡くした日も、男は駅に立ち続けた…。映画化され大ヒットした表題作「鉄道員」はじめ「ラブ・レター」「角筈にて」「うらぼんえ」「オリヲン座からの招待状」など、珠玉の…

マンガと「戦争」

マンガと「戦争」 夏目房之介 1997 講談社 【表紙より】 手塚治虫、水木しげるから宮崎駿、エヴァンゲリオンへ―マンガは「戦争」をいかに描いてきたか。日本人の戦争観に迫る画期的マンガ論! 【雑感】 マンガの内容を分析することで、どのような時代背…

少女ノイズ

少女ノイズ 三雲岳斗 2007 光文社 【アマゾンより】 ミステリアスなヘッドフォン少女の美しく冷徹な論理 欠落した記憶を抱えた青年と心を閉ざした孤独な少女。彼らが出会った場所は無数の学生たちがすれ違う巨大な進学塾。夕陽に染まるビルの屋上から二…

ナイン・ストーリーズ

ナイン・ストーリーズ J・D・サリンジャー 野崎孝訳 S49 新潮社 超おすすめ! 【背表紙より】 自己のはかない理想と暴虐苛酷な現実との間にはさまれて、抜き差しならなくなった人々の自我の内奥を照射し、それに真っ向から切り込んだ自選作品集。消化し切…

ヘルマンとドロテーア

ヘルマンとドロテーア ゲーテ 国松孝次訳 新潮社 S27 【裏表紙より】 フランス革命に続く世界史の動乱期のある夏の日、ライン地方をフランス軍に追われた避難民たちが通り過ぎてゆく。彼らに救援物資を届けに行った富裕な市民の息子ヘルマンは、そこで避難民…

成功の反対は挑戦しないこと

海老沢康生 「成功の反対は何?」 井野真々子 「成功の反対は失敗でしょ」 「そんなこと当たり前じゃないですか」 海老沢康生 「それも違う」 「成功の反対は挑戦しないこと・・・・・・だよ」 井野真々子 「挑戦しないこと・・・・・・」 (週間モーニング…

デミアン(エーミール・シンクレールの青春の物語)

デミアン(エーミール・シンクレールの青春の物語) ヘルマン・ヘッセ 高橋健二訳 S26 新潮社 【背表紙より】 ラテン語学校に通う10歳の私、シンクレールは、不良少年ににらまれまいとして言った心にもない嘘によって、不幸な事件を招いてしまう。私をその…

進化と人間行動

おすすめ! 進化と人間の行動 長谷川寿一 長谷川眞理子 2000 東京大学出版会 【雑感】 本書は、東京大学教養学部1・2年生向けの総合科目「適応行動論」のテキストとして書かれたものという。 それだけあってか、進化と人間の行動について広範囲にわた…

ライ麦畑でつかまえて

超おすすめ! ライ麦畑でつかまえて J・D・サリンジャー 野崎孝訳 1979 白水社 【アマゾンより】 1951年に『ライ麦畑でつかまえて』で登場してからというもの、ホールデン・コールフィールドは「反抗的な若者」の代名詞となってきた。ホールデン少年の物…

幽州台に登る歌

僕は昔、漢詩が好きだった。 多くの詩選集を読みあさったなあ。 日本の和歌も好きだけれど、日本の和歌にはないあの力強さ。 気持ちの良い直情! 書き下し文の調子の良さには、何にもかなうまいと今でも思う。 それらの中に一つ、忘れられない詩がある。 「…

「近代文学における「私」・素描」より

「 暮夜の重い沈黙に醒めて、ひそかに〈私とはなにか〉を問い、泥酔して迎えた朝の薄明に、〈ここに曳く己の影〉の奇怪さにおどろく刻を持って以後ーーー人間がその存在の深奥に補足しがたく、制御しがたい〈私〉を飼うことを覚えて以後、といいかえてもいい…

『審判』についての覚え書き

多くの近代小説は、意識的なエゴイズムによって、己が悪行を正当化する様を描いた(例:羅生門)。 また、激情からふと他人を忘れ、無意識的なエゴイズムにはしってしまったことによる悲劇と、人の利己性というむなしさを描いた(例:こころ)。 武田泰淳の…

物尽し(日本的レトリックの伝統)

物尽し(日本的レトリックの伝統) ジャクリーヌ・ピジョー著 寺田澄江・福井澄訳 1997 平凡社 【雑感】 列挙という修辞法がある。庭にあるのは、みかん、りんご、なし、ぱいなっぷる、いちご、めろん、かき、すもも、ばなな、ナタデココ、、、みたいな…

中国思想を考える(未来を開く伝統)

中国思想を考える(未来を開く伝統) 金谷治 1993 中央公論社 【カヴァー折口より】 中国人はものごとを現実的に見、考える民族である。三千年の思想の歴史を通じて培われたかれらの考え方は、中国人に特有な思考形式として今日に伝わる。それは老荘の現…

私小説は亡びたが、・・・・・・

「私小説は亡びたが、人々は『私』を征服したろうか。私小説はまた新しい形で現れて来るだろう。」 小林秀雄 「私小説論」より 【私小説とは?】はてなダイアリーより 「作者の身の回りの出来事をそのまま材料にした小説のこと。 わたくし小説とも言う。 単…

ヨーロッパ文化と日本文化

おすすめ! ヨーロッパ文化と日本文化 ルイス・フロイス著 岡田章雄訳 岩波 1991 読書ノート「思いの記録」より転写。 読書ノート「思いの記録」についてはこちら。http://d.hatena.ne.jp/skycommu/20090524/1243131867 【ルイス・フロイス(1532〜…

語り手について考えることは・・・・・・

語り手は物語世界を物語るという超超特権的な地位にある。語り手に従い、語り手の目を通して、読み手は物語世界を読むわけであって、しばしば無意識に語り手と読み手は同化する。 だから語り手の感覚を注視することは、物語そのものを考えることに他ならない…

一人称の3つの機能

①今の時点から過去の自己の言動を反省するという、自己批判的な一人称体。 ②一人の人間の見ることや考えることには限界があるという、視野限定的な一人称体。 ③作者が語り手にみずからを重ね合わせるようにして語る、主観吐露的な一人称体。 「漱石の一人称…

【読書ノート「思いの記録」】と【「逝きし世の面影」】と【僕の思想テーマ】

僕は高校2年の時から高校3年にかけて、読書ノートをとっていた。 その名は「思いの記録」。B4ノートで2冊。 その最初のページには、実に偉そうにこう書いてある。 「読んだ本の記憶を忘れんがため。また若き日の想い出にこれを記すことにする。 2003…

『近代小説研究必携1』のメモ

『近代小説研究必携1』のメモ 有精堂編集部編 1988 (作品研究の方法と課題) (助川徳是) 「作品を読むというのは、作品の芸術性の本質に眼が至り着いたものでなければ意味がない。その読みが提示された場合、作品そのものよりも面白いことが理想なの…

「ひぐらしのなく頃に 第三話〜祟殺し編〜」にあった名言

前原圭一 「男はすべからく変態だ!! だがそれを認めるか否かで、男の器は天と地ほどの差を持つののだ!!! お前は自分に素直だった!! それを自慢していい! 威張っていい!! 自分を誇りに思えぇえぇッ!!」 まったくその通りw 《20080520の記事》

『近代小説研究必携3』のメモ

『近代小説研究必携3』のメモ 有精堂編集部編 1988 (テクストの細部/物語の切片) (小森陽一) 「かといって研究史を無視せよと言うのではない。研究史を徹底して対象化し切ったとき、過去の論文が陥りやすかった中心的流れ、はまり込みやすい中心概…

最強の速読術

最強の速読術 斉藤英治 河出書房新社 1999 【速読のヒント】 ○視点移動を速くする ○1パラグラフ・1メインアイデア ○2対8の法則(本の2割に情報の8割) ○時間を区切って読む ○指でのリードは集中力を高めるのでときおり利用すると良い ○目次などを…