図解雑学 ミクロ経済学

図解雑学 ミクロ経済学
嶋村紘輝・横山将義著 2003 ナツメ社


【表紙より】
わたしたちの生活において、経済の占めるウェイトは非常に高いものがあります。
ミクロ経済学」は、経済を構成する個々の家計(個人、消費者)や企業(生産者)に注目して、経済を分析します。家計や企業は売り手や買い手として取引をし、そこに市場が形成されます。
この市場が、わたしたちの身近なアイスクリームやコメといったものの価格や取引量を決めているのです。
この本では、市場経済のしくみを説明することで、身近なものの価格や取引量が、どのように決まっているのかを説明していきます。
さらに、家計や企業は市場でどのように行動するのか、さまざまな市場はどのようなしくみになっているかなども説明して、身のまわりの経済のしくみをひも解いていきます。
この本を読めば、経済がより身近なものとして、よく理解できます。


【雑感】
図を多用することでミクロ経済学の概念やアイデアを分かりやすく解説している。


小難しい理論がいくつも出てくるが、現実の世界ではどのように利用されているのか興味を持った。そこまで踏み込んだほうが読者の頭に残るだろう。


本書からは、経済効率=善という価値観がところどころ見える。人間はあくまで相対的にものを見る生き物だ。経済効率を高めれば、たくさんの人が幸せになる、バランスのとれた社会になるわけではあるまい。
むしろその失敗があったからこそ、自由主義から、修正資本主義へと、社会は舵を変えた経緯があったはずだ。
本書には、経済効率に対して、もっとバランスのとれた視点がほしかった。経済効率=善ではない。そういう単純なものではない。


《20080818の記事》