2008-01-01から1年間の記事一覧

しあわせの理由

おすすめ! しあわせの理由 グレッグ・イーガン著 山岸真訳 2003 早川書房 【背表紙の内容紹介より】 12歳の誕生日をすぎてまもなく、ぼくはいつもしあわせな気分でいるようになった…脳内の化学物質によって感情を左右されてしまうことの意味を探る表題…

平沢進の音楽は都市の音楽である。

商品と快楽を求め大挙として人が一同に押し寄せる一大消費地としての都市。 ヒト・モノ・カネ・権力が集積し、無数の人の交流の中、多数の仕事が集中する都市。 古い価値観を排し新しい価値観を生み出し続ける都市。 人類の輝きのごとく煌々と光り輝き脈動す…

「ときどき理屈に合わないことするのが人間なのよ」

「ときどき理屈に合わないことするのが人間なのよ」 源静香 「のび太と鉄人兵団」より Yes. 人間は理屈だけで動くわけではない。 ときに人は、理性を忘れ、感情的になって行動する。 怒りに我を忘れ、馬鹿なことをする。 恐怖に我を忘れ、間抜けなことをする…

「あたし彼女」の感想と推薦

今さらかよ! そうです。今さらですw 一ヶ月ほど前に話題になった、第3回日本ケータイ小説大賞受賞作品、「あたし彼女」。 こんなの文学じゃないとかなんとか、相当ネット界では議論が起こっていましたね〜。 タケルンバ氏やリアルの友人が推奨していたこと…

『こころ』×小畑健

期間限定で、集英社が出版する夏目漱石『こころ』の表紙を、「ヒカルの碁」や「DEATH NOTE」で有名な小畑健が書くらしい。 詳細は→ http://www.oricon.co.jp/news/confidence/55783/full/ 大学生協に売っているのを偶然見、思わず手に取ってしまった。 理由…

カブール・ノート 戦争しか知らない子どもたち

おすすめ! カブール・ノート 戦争しか知らない子どもたち 山本芳幸 2001 11 20 幻冬舎 村上龍氏の読者が運営していたという掲示板「龍声感冒」。そこに本書の著者、山本芳幸氏が投稿した記事を中心に編んだ本。 出版当時、彼は国連難民高等弁務官カ…

復讐する海(捕鯨船エセックス号の悲劇)

超おすすめ!! 復讐する海(捕鯨船エセックス号の悲劇) ナサニエル・フィルブリック 相原真理子訳 2003 12 10 集英社 【内容】 1800年代前半。アメリカ東海岸北部に位置するナンタケット島は捕鯨産業によって興隆を極めていた。そこを発った捕…

人間は論理的な生き物ではない

文章を、パーっと、短い時間に、いっきに書いたことがあるだろうか? そういう文章にはたいてい、勢いがある。 何度も同じことを言ってしまったり、過激なことをつい書いちゃったりするものだから、熱がこもって見える。情熱がこもって見える。 そういう意味…

世の中を良くするための、人間を良くするための、人生を良くするための、自然を良くするための、人間関係を良くするための、最終法則を発見した!

それはなんでも 程度問題。 《2007/08/01の記事を転載》

「河童のクゥと夏休み」に対する覚え書き

超・超おすすめアニメ! これは絶対、見ざるを得ない! 途中から正座して見た。2回、3回と見るにつれて、新しい発見がいろいろある豊かな映画。 こんな作品と出会えたことを素直に感謝したい。 感想やれなんやれをちょこっと。 ○本作品は見事にテーマを表…

「平沢進」の薦め

知ってる人には言わずもがなだが、はっきり言って平沢進は非常に異質だ。音楽提供の方法、ライブ、歌詞、楽曲、etcetc。彼の魅力はそこに根ざしているといってもよい。もっとも、ファンは彼の「異質であること」自体に魅了されているわけではないだろう。純…

混沌とは何ですか?

混沌とは何ですか? 現実とは何ですか? 人間とは何ですか? 私とは何ですか? 混沌とは、私たちを取り巻くただの原子の流れ、そのすべてです。 私も含め、私の周りにある事象の起因です。 混沌は世界の本当の姿でもあります。 私たちを取り巻くただの原子の…

トラベラーズノートの魅力

私は今、といってももう3ヶ月近く前からだが、MIDORIのトラベラーズノートという手帳を使いこなそうと奮闘している。 参考→ http://www.midori-japan.co.jp/tr/ トラベラーズノートとは牛革一枚でできたノートカヴァーといってよい。そこにいろいろなリフィ…

銀の滴降る降るまわりに,金の滴降る降るまわりに

結構前だね。10月15日の「その時歴史が動いた」でアイヌ神謡集の著者、知里幸恵が取り上げられていた。その時のタイトルは「神々のうた 大地にふたたび 〜アイヌ少女・知里幸恵の闘い〜」だった。 僕は特別な感情を持って、この番組を見た。なぜなら、僕…

K先輩とエロマンガ

今日のバイトは外回りだったんだ。 けっしてさぼってるわけではないんだけれども、僕のバイトは移動時間が長い。 一緒にまわったのは、そうだな、仮にK先輩としよう。 一緒にまわったのは、K先輩だった。 K先輩は、いわゆるリア充と呼べるような人で、ライト…

最近の「ハックルベリーに会いに行く」についての覚え書き

僕は「ハックルベリーに会いに行く」(http://d.hatena.ne.jp/aureliano/)というブログが好きである。 すっごい昔から注目してきたわけではない。 書き手は「id:aureliano」であるが、彼の記事を読み始めたのは、彼の記事が「はてなブックマーク」の「人気…

レジ打ちには「ありがとう」と言おう!

このまえ、お世話になったダイエーをやめました。いやーお世話になったお世話になった。食品レジは忙しかったなあ。 ところで、、、あなたはレジ打ちに「ありがとう」といったことはありますか?いやないでしょ?ないよねー。じゃあ明日から言うようにしまし…

レイチェル・カーソンの「海のなか」を読んで

『海を本当に知っている人など、いるのだろうか?』 「沈黙の春」で知られるレイチェル・カーソン女史は、短編「海のなか」でそう書き起こす。私たちはここで、この問いに答えるために彼女の言を拡大解釈する必要に迫られるだろう。すなわち、自然を本当に知…

移転のお知らせ!

これまで、「スカイコミュのノート」(http://skycommu.blog50.fc2.com/)にてブログを構築していましたが、このたび、 「はてなダイアリー」に移転してきました! 新ブログ名は「夢みる風力発電機」(http://d.hatena.ne.jp/skycommu/)です。 移転の理由は…

諸君、私は革製品が好きだ。

と、タイトルで書いておいて、「あの少佐」のテンプレにはならないのです。期待した皆さんすいません。 さて、 僕は革製品が好きだ。特にオイルレザーが大好きだ。 においもいいし、つやもいい。自然にできたトラもいいし、血筋が残っているのもいい。 なに…

もう年をとったらこういうことは書けない。僕たちは限定された不完全な認識の中で、世界を生きることしかできないのだ。

この世に真実なんてない。正しい見方なんてない。正しい感情なんてない。正しい判断なんてない。 人間の認知能力には限界がある。人間社会の探査能力には限界がある。 僕は、限られた情報の中でしか生きられないんだ。限られた側面の中でしか生きられないん…

「笹で一面覆われた薄緑色の島」のお話

男2人で小さな島を旅行した帰り。 島は、人口100人とちょっとで、しいていえば、ヒョウタンのような形をしている。 大和(民宿のおばあちゃんは、本土のことをそう呼んだんだ)行きの船の中。 もちろん島にはホテルなどなく、3件の民宿があるのみ。 時…

「私」とは、流転そのものである。

「私」とは何か? そのヒントになるようなことは当ブログでもいろいろ考えてきた。 例) 混沌とは何ですか? おまえはそれでも自由であることを望むだろうか? 一つの結論を示したい。 「私」とは、流転そのものに他ならない。 ーーーーー 今日、祖母の家のペ…

純文学と大衆文学の違いについての覚え書き

バイト先の職員が、「純文学と大衆文学の違いって何だろうね?」と僕に話をふってきた。その上司は歴史小説をもうそれはもう、ものすごく読む方で、浅田次郎などが好きらしい。 浅田次郎や司馬遼太郎の作品は一般に大衆文学に分類される。「純」文学と「大衆…

文学においては時代を経るに従って、論は作品の本質からずれやすくなるのではないか

先行論を読んでて感じること:「文学においては時代を経るに従って、論は作品の本質からずれやすくなるのではないか」最近、武田泰淳「ひかりごけ」の先行論をたくさん読んでいる。卒論のためだ。 古い(といっても1970年代だけどね)論から新しい論を読…

無題

彼は失われてしまった僕を知っていた 意識という名の濾過装置に沈殿した、あの時の僕を知っていた ーーーーー 濾過された水のように純粋に見える僕の意識は、無色透明無臭で、水滴を垂らすと、秩序だって同心円状の波紋が広がる ーーーーー 「あの時、おまえ…

ニューシネマパラダイスのテーマ曲を聴きながら

白銀の戦闘機が青い世界から青い世界へと墜ちてゆく。それは太陽の光を受けて、痛いほどまぶしい光を反射させた。やがて、白銀の戦闘機から、ミサイルポッドが離れる。そのあとすぐに、機銃も離れ、主翼も離れ。無重力空間でバラバラになるよう、静かに、か…

カタカナのボクは、

カタカナのボクは、カタカナのキミにとって、代替不可能な存在でありたい。 私は、そんな人間関係を目指したいんだ。

夏は馬車に乗って

ある日のこと。青年はその女性に、理科の問題の解き方を教えてもらおうとしました。彼女は問題集を受け取り、問題を見ましたが、どうやら彼女にもそれは難問のようです。顔をしかめながら見ています。 しばらくしてふいに彼女は、顔を上げ心配そうに言いまし…