平沢進の音楽は都市の音楽である。

商品と快楽を求め大挙として人が一同に押し寄せる一大消費地としての都市。
ヒト・モノ・カネ・権力が集積し、無数の人の交流の中、多数の仕事が集中する都市。
古い価値観を排し新しい価値観を生み出し続ける都市。
人類の輝きのごとく煌々と光り輝き脈動する都市。
地下や地上、上空でビルが立体的につながる複雑な空間としての都市。


そこで一人ぼんやりしつつ、激しい人の流動を眺めることによって、彼の孤独で奇妙な音楽は理解されるのだ。


《2007/08/22の記事を転載》