自薦エントリー

いちにち と いちにち

東串良町柏原海岸鹿屋市白崎町鹿児島市名山町田代町花瀬

レースに負けた青年の、うな垂れる様子から目が離せない。

岩手県 花巻市 田瀬湖。 漕艇の試合。レースに負けた青年の、うな垂れる様子から目が離せない。 それは美しく、 また僕にはないものだから。三年間に抱いたであろうありとあらゆるさまざまな人間臭い感情は、ただここに結実したのだ。空が大きく、綺麗に見え…

考える力をつけるための読書メモ(ワークプリントつき)

漫然と本を読んでほしくない。 考える力をつけながら本を読んでほしい。 そんな市民が増えることが僕の願いの一つだ。自分でものを考えながら本を読む。その方法をある程度学び、それを落とし込んだワークプリントを作ってみた。↑こんなやつ。このプリントを…

Q_日本の教育を変えるには?

Q_日本の教育を変えるには? A_東大教授になって東大入試問題を変えよ 日本の教育を変えるにはどうすればいいだろうか? どっちの方向に変えるかは、今はおく。とにかく、日本の教育を、自分が「こうあるべきだ」と思う方向に変えるにはどうすればいいだ…

エロさは被写体から押しつけられるものではなく……

「エロさは被写体から押しつけられるものではなく、見る者のなかに潜んでいる」 (日本カメラ,2010年8月号,小林紀晴による投稿写真の評より) 鋭い。そしてこれは、「エロさ」はもちろん、程度の差こそあれ、すべての感情にも当てはまるのだろう。 受け手に潜…

《児童養護施設の女性、奨学金借りれず》、これが誰も何もしてこなかった結末だ。

毎日新聞で、興味深い記事を見つけた。新聞社はしばらくするとネット上から記事を削除することもかねて、全文引用したい。 奨学金:施設出身女子大生借りられず 虐待の母同意望めず 今春、児童養護施設から東京都内の私立女子大に進学した女性(18)が、日…

風と天使と、ビブラート

鹿児島市吉野公園、「花かごしま」にて

「指導力がない」、「指導力不足」 → 馬鹿でマヌケで、さらには社会的に害のある表現。

新聞を読んでると、その知性の低さにうんざりしてため息するのはいつものこと。とはいえ、どんな出来事があったのか地方紙をザッピングしていると、共同通信の世論調査が載っていた。ネットに共同通信の記事がすぐに見つからなかったので、それを報じた産経…

第四次延長のなかで

ねぇ、何を主張するの? 鹿児島県日置市伊集院

南日本新聞のクズなところ一つーー年賀来訪ーー

2011年1月5日の南日本新聞。見開き丸々2面も使って、「年賀来訪(本社、総局、支局)」のページがあった。毎年の恒例だ。 丸々2面に渡って、南日本新聞社に挨拶に来た個人や団体が、ずらずらと箇条書きに並んでいる。政治家や、行政の各機関、県内有力企業、県…

殺人の狂気に、二郎はおどる

武田泰淳の短編小説、「審判」の一部分を紹介する。主要登場人物「二郎」は、日中戦争時に兵士として中国に従軍した。その際、とある農村で老夫婦がうずくまっているのを見つける。二郎は、非戦闘員の彼らに銃口を向ける。「もとの私でなくなってみること、…

ボクの立ち位置

望ましい社会システムについて人と議論したり、人の主張に感じる違和感を分析したりしていると、だんだん自分の立ち位置がみえてくる。 自分の価値観が明らかになる。 2010年、12月現在、ボクはどんな価値観をもっているのか? それを少し整理してみよう、と…

曇りなき眼(まなこ)で見定める(「もののけ姫」)

「曇りなき眼(まなこ)で見定める」 「もののけ姫」(スタジオジブリ、宮崎駿監督、1997年) スタジオジブリのアニメ、「もののけ姫」で、主人公アシタカが発するセリフだ。人気の高い作品なので見たことのある生徒も多いだろう。 最新の兵器である銃に…

埴輪(谷川俊太郎)

埴輪 谷川俊太郎 すべての感情と苔むして静かな時間とが 君の脳に沈殿している 眼の奥にある二千年の重量に耐え 君の口は何か壮大な秘密にひきしめられる 泣くことも 笑うことも 怒ることも君にはない 何故なら 君は常に泣き 笑い そして怒っているのだから…

ニコニコ生放送に負けた新聞社たち

お昼頃新聞を広げたら,ぶっぶっぶったまげた。 南日本新聞の政治面に,写真付きで次のような記事が大きく扱われていたからだ。 小沢氏,国会招致拒否 ネット番組で明言「司法手続き中」 民主党の小沢一郎元代表は3日、都内でインターネットサイト「ニコニ…

『2010年 センター試験 倫理』の問題が、めちゃおもしろい

昨日、大学入試センター試験が終わりました。受験生のみなさん、お疲れ様です。僕も、得意教科である「国語」を解いてみましたが、なかなかレベルが高かったですね。多くの受験生にとって、なかなか厳しい試験だったのではないでしょうか。 さて本題。ついで…

文学作品には、その作品をつき動かす力がある。

文学作品には、その作品をつき動かす力がある。その作品の登場人物たちを行動させ、また自然現象を生じさせ、そして、偶然や出会いを導く力がある。 その力が働くから、文学作品は喜劇となり、あるいは悲劇となり、私たち読者の心をうつのだ。 自分が今読ん…

「懐かしい知らない場所」

急にザバダックが聞きたくなって、CDを引っ張り出してきた。たまたま手に取ったのが、「桜」。 のれん分け直前のアルバムの一つ。 その中に、「Psi-trailing」という曲がある。 作詞、新居昭乃。 作曲、吉良知彦。 ボーカル、上野洋子。 「Psi-trailing」…

我感ずる、ゆえに我あり

「センティオ・エルゴ・スム、我感ずる、ゆえに我あり。」 感性の起源 P197 より まさにそう。 私という認識主体は世界を感じる。それこそが私。 「考える」私があると同時に、世界を「感じる」私がいる。 人は考える存在。考えることは一見理性的なこと…

ナイン・ストーリーズ

ナイン・ストーリーズ J・D・サリンジャー 野崎孝訳 S49 新潮社 超おすすめ! 【背表紙より】 自己のはかない理想と暴虐苛酷な現実との間にはさまれて、抜き差しならなくなった人々の自我の内奥を照射し、それに真っ向から切り込んだ自選作品集。消化し切…

進化と人間行動

おすすめ! 進化と人間の行動 長谷川寿一 長谷川眞理子 2000 東京大学出版会 【雑感】 本書は、東京大学教養学部1・2年生向けの総合科目「適応行動論」のテキストとして書かれたものという。 それだけあってか、進化と人間の行動について広範囲にわた…

ライ麦畑でつかまえて

超おすすめ! ライ麦畑でつかまえて J・D・サリンジャー 野崎孝訳 1979 白水社 【アマゾンより】 1951年に『ライ麦畑でつかまえて』で登場してからというもの、ホールデン・コールフィールドは「反抗的な若者」の代名詞となってきた。ホールデン少年の物…

幽州台に登る歌

僕は昔、漢詩が好きだった。 多くの詩選集を読みあさったなあ。 日本の和歌も好きだけれど、日本の和歌にはないあの力強さ。 気持ちの良い直情! 書き下し文の調子の良さには、何にもかなうまいと今でも思う。 それらの中に一つ、忘れられない詩がある。 「…

「近代文学における「私」・素描」より

「 暮夜の重い沈黙に醒めて、ひそかに〈私とはなにか〉を問い、泥酔して迎えた朝の薄明に、〈ここに曳く己の影〉の奇怪さにおどろく刻を持って以後ーーー人間がその存在の深奥に補足しがたく、制御しがたい〈私〉を飼うことを覚えて以後、といいかえてもいい…

『審判』についての覚え書き

多くの近代小説は、意識的なエゴイズムによって、己が悪行を正当化する様を描いた(例:羅生門)。 また、激情からふと他人を忘れ、無意識的なエゴイズムにはしってしまったことによる悲劇と、人の利己性というむなしさを描いた(例:こころ)。 武田泰淳の…

私小説は亡びたが、・・・・・・

「私小説は亡びたが、人々は『私』を征服したろうか。私小説はまた新しい形で現れて来るだろう。」 小林秀雄 「私小説論」より 【私小説とは?】はてなダイアリーより 「作者の身の回りの出来事をそのまま材料にした小説のこと。 わたくし小説とも言う。 単…

語り手について考えることは・・・・・・

語り手は物語世界を物語るという超超特権的な地位にある。語り手に従い、語り手の目を通して、読み手は物語世界を読むわけであって、しばしば無意識に語り手と読み手は同化する。 だから語り手の感覚を注視することは、物語そのものを考えることに他ならない…

一人称の3つの機能

①今の時点から過去の自己の言動を反省するという、自己批判的な一人称体。 ②一人の人間の見ることや考えることには限界があるという、視野限定的な一人称体。 ③作者が語り手にみずからを重ね合わせるようにして語る、主観吐露的な一人称体。 「漱石の一人称…

【読書ノート「思いの記録」】と【「逝きし世の面影」】と【僕の思想テーマ】

僕は高校2年の時から高校3年にかけて、読書ノートをとっていた。 その名は「思いの記録」。B4ノートで2冊。 その最初のページには、実に偉そうにこう書いてある。 「読んだ本の記憶を忘れんがため。また若き日の想い出にこれを記すことにする。 2003…

『近代小説研究必携1』のメモ

『近代小説研究必携1』のメモ 有精堂編集部編 1988 (作品研究の方法と課題) (助川徳是) 「作品を読むというのは、作品の芸術性の本質に眼が至り着いたものでなければ意味がない。その読みが提示された場合、作品そのものよりも面白いことが理想なの…