ヨーロッパ文化と日本文化

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ヨーロッパ文化と日本文化
ルイス・フロイス著 岡田章雄訳 岩波 1991


読書ノート「思いの記録」より転写。
読書ノート「思いの記録」についてはこちら。http://d.hatena.ne.jp/skycommu/20090524/1243131867


ルイス・フロイス(1532〜1598)は日本に来たポルトガルイエズス会士。フロイスが執筆した「日本史」は有名らしい。


本書は1584年に加津佐にて書かれたという。衣食住、宗教生活、武器武具から演劇歌謡など非常に多方面におよび、当時の日本について記述している。だらだらとした文章ではなく、それぞれ箇条書きにしてあるので読みやすい。また、詳細な注釈がつき内容も多岐に渡るため凝縮されている感がある。


安土桃山時代に書かれた本であるが、今にも見られる光景がたくさんあるので、つい笑ってしまう。特にしつこく温かい酒を勧めあい、悪酔いしたことを自慢している光景など頭から離れられそうにない。そういえば顔についたキズを自慢するため「ワザト」悪化させてるなんてのもあったな。人間はあの時代からそう変わっていないようにみえる。


2003年4月23日】


渡辺京二は、ある文化に属していない人こそ、その文化を記述できると指摘している。ある文化に属している人は、それが当たり前と思ってその文化に関することを記述しないから。例えば、男女混浴が当たり前だったら、いちいちそのことを日記に書かないでしょう? 異文化から来た人だからこそ、それを驚きをもって伝えられる。


《20080524の記事》