2009-05-25から1日間の記事一覧

中国思想を考える(未来を開く伝統)

中国思想を考える(未来を開く伝統) 金谷治 1993 中央公論社 【カヴァー折口より】 中国人はものごとを現実的に見、考える民族である。三千年の思想の歴史を通じて培われたかれらの考え方は、中国人に特有な思考形式として今日に伝わる。それは老荘の現…

私小説は亡びたが、・・・・・・

「私小説は亡びたが、人々は『私』を征服したろうか。私小説はまた新しい形で現れて来るだろう。」 小林秀雄 「私小説論」より 【私小説とは?】はてなダイアリーより 「作者の身の回りの出来事をそのまま材料にした小説のこと。 わたくし小説とも言う。 単…

ヨーロッパ文化と日本文化

おすすめ! ヨーロッパ文化と日本文化 ルイス・フロイス著 岡田章雄訳 岩波 1991 読書ノート「思いの記録」より転写。 読書ノート「思いの記録」についてはこちら。http://d.hatena.ne.jp/skycommu/20090524/1243131867 【ルイス・フロイス(1532〜…

語り手について考えることは・・・・・・

語り手は物語世界を物語るという超超特権的な地位にある。語り手に従い、語り手の目を通して、読み手は物語世界を読むわけであって、しばしば無意識に語り手と読み手は同化する。 だから語り手の感覚を注視することは、物語そのものを考えることに他ならない…

一人称の3つの機能

①今の時点から過去の自己の言動を反省するという、自己批判的な一人称体。 ②一人の人間の見ることや考えることには限界があるという、視野限定的な一人称体。 ③作者が語り手にみずからを重ね合わせるようにして語る、主観吐露的な一人称体。 「漱石の一人称…