一人称の3つの機能

①今の時点から過去の自己の言動を反省するという、自己批判的な一人称体。


②一人の人間の見ることや考えることには限界があるという、視野限定的な一人称体。


③作者が語り手にみずからを重ね合わせるようにして語る、主観吐露的な一人称体。


漱石の一人称体」より H15 藤井淑禎



最近、一人称のテクストに強い関心を持っている。
理由はまあ、上の三つにあるようなことにおもしろさを感じているから。


よく考えれば、泣けるとか感動するとかで話題になってるエロゲーなんかもほとんど主人公による一人称だな。(そりゃそうだ。あくまで男主人公の視点で、男主人公と女キャラの心理的接触や性的接触を描くのがエロゲーの基本パターンだから)
それらを、言説分析の土台にのせたら、案外、意外な読みができたりしておもしろいんじゃないか、と最近思っている。


《20080521の記事》