2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

①あるがままの世界→④私という個がみている世界

私たちは純粋にあるがままの世界を見ているわけではない。あるがままの世界を感じているわけではない。 あるがままの世界と私たちの認識する世界には大きな違いがある。あるがままの世界とは決して人間には知覚できず、ただ観念として存在するのみ。 あるが…

オデッセウスの鎖(適応プログラムとしての感情)

オデッセウスの鎖(適応プログラムとしての感情) R・H・フランク著 山岸俊男監訳 1995 サイエンス社 【趣旨】 自己利益追求モデル(人は自己利益を追求する行動をとるというモデル)は人の行動を予測する上で、ある一定の成果を上げてきた。しかし、…

東京に旅行したとき、メモ帳に書いたメモと雑記

およそ9ヶ月前、東京を小旅行した。 その時のメモ帳が見つかったのでそこに記されていた文章を転写しておく。 「若いことはいいことだ。なぜなら、それだけ驚きを得やすいから。いろいろなことを知り、体験していく。そんな時期が人間として一番充実を感じ…

仕掛け、壊し、奪い去るアメリカの論理(マネーの時代を生きる君たちへ)(原田武夫の東大講義録)

仕掛け、壊し、奪い去るアメリカの論理(マネーの時代を生きる君たちへ)(原田武夫の東大講義録) 原田武夫 2007 ブックマン社 【主な(私の琴線に触れた)主張】 □アメリカは自国の富を増加させるために動いている(そのためには戦争もするし、不正義な陰…

脳のなかの幽霊

超おすすめ! 脳のなかの幽霊 V・S・ラマチャンドラン著 山下篤子訳 1999 角川書店 【カヴァー口の内容紹介より】 切断された手足がまだあると感じるスポーツ選手、自分の体の一部を人のものだと主張する患者、両親を本人と認めず偽者だと主張する青年―…

心理学の講義で先生がしつこく言っていたことであり、かつ自分が納得したこと

「人は理性ではなく感情で動く」 (程度問題だとは思うけれど、重要な認識じゃないかな) 《20070820の記事》

宇宙人としての生き方(アストロバイオロジーへの招待)

宇宙人としての生き方(アストロバイオロジーへの招待) 松井孝典 2003 岩波書店 おすすめ! 今後の人間のあり方を考える上で必読の本。 第一章、第二章、第三章、第八章、超超重要。 【メモ】 ○従来の近代自然科学は二元論(自然と人間は分かれていて、私た…

好きな人と二人っきりで向き合うことで、自分がはじめて見えてくる

非常にお世話になっている上司がなるほどと思ったことを言ってくれたのでメモっておく。 「真面目に、好きな人と二人っきりで向き合うことで(今まで見えなかった)自分がはじめて見えてくる」 《20071021の記事》

反社会学講座

反社会学講座 パオロ・マッツァリーノ 2007(増補前は2004) 筑摩書房 【背表紙より】 少年の凶悪犯罪は減ってるし、少子化になっても日本の社会はなんともない。昔の日本人はちっとも勤勉じゃなかったし、日本のお役人はふれあいが大好きだ…社会学…

進化しすぎた脳(中高生と語る[大脳生理学]の最前線)

進化しすぎた脳(中高生と語る[大脳生理学]の最前線) 池谷裕二 2004 朝日出版 本書の元は慶應義塾ニューヨーク学院高等部で行われた10日間にも及ぶ脳科学の講義の記録だそうだ。 大脳生理学の知見をコンパクトに紹介している。このようなものから引…

パンツをはいたサル(人間は、どういう生物か)

パンツをはいたサル(人間は、どういう生物か) 栗本慎一郎 2005 現代書館 ひどい本だった。読んでて怒りがこみ上げてくるぐらい。 人間とはパンツをはいたサルとでもいうべきものだと著者は主張している。パンツをはいたサルのパンツは余計なものである…

世界は仮説である。

世界は仮説である。 なぜなら、 ①人間の認識は恣意的に入手した限られた情報をもとに、 ②現実に対しヒトとして適切に対処するために組み立てられた仮説に過ぎなく、 ③人間の認識できる世界は客観的世界などではなく、所詮そういう仮説の集合だから。 《20070…

ガダラの豚

ガダラの豚 中島らも 1993 実業之日本社 【あらすじ、アマゾンから転写】 内容(「BOOK」データベースより) アフリカにおける呪術医の研究でみごとな業績を示す民族学学者・大生部多一郎はテレビの人気タレント教授。彼の著書「呪術パワー・念で殺す」…

ザ・ゴール(企業の究極の目的とは何か)

ザ・ゴール(企業の究極の目的とは何か) エリヤフ・ゴールドラット著 三本木亮訳 2001 ダイヤモンド社 【カバーの裏の内容紹介より】 主人公アレックス・ロゴは、ある機械メーカーの工場長。長引く採算悪化を理由に、突然、本社から工場閉鎖を告げられ…

口語訳 古事記(完全版)

口語訳 古事記(完全版) 三浦佑之訳・注釈 2002 文藝春秋 古事記を、その「語り」という特徴に注目して、漢語を排し和語のみで口語訳したものが本書。極めておもしろい試みだと思う。和語のみで口語訳することによって、語り継がれていたものであろう古…

知り合いの話で納得したこと(平和で利益を出すのなら、平和のために寄付を)

ある知り合いがゆうた。 「世界平和を目指そうとか貧困を無くそうとか歌ってる連中が多いけど、そやったらその歌、作詞作曲したやつ、著作権料を寄付したらええやん」 激しく同意。 戦争で苦しんでる子供たちがかわいそうだなあ、とか歌ってる歌多いけど、確…

「ガサラキ」で使われた、かっこいいセリフ

「何を成したかは結果でしかない。 大切なのは、何を成そうとしたか。 何かを成そうとしたときに、人はその中に自らの生きる道を見出す。」 《20070708の記事》

脳と視覚(グレゴリーの視覚心理学)

脳と視覚(グレゴリーの視覚心理学) リチャード・L・グレゴリー著 近藤倫明・中溝幸夫・三浦佳世・役 2001 ブレーン出版 「知覚は予測的な仮説であり、過去から引き出されたトップダウンの知識とサイドウェーとしての(一般)規則に支えられている」と…

世界でひとつだけの幸せ(ポジティブ心理学が教えてくれる満ち足りた人生)

世界でひとつだけの幸せ(ポジティブ心理学が教えてくれる満ち足りた人生) マーティン・セリグマン 小林裕子訳 2004 アスペクト 【カバー見返しの内容紹介より】 人間は自らの弱点を克服するだけでは幸せになれない!アメリカ心理学会会長のM・セリグマ…

アルジャーノンに花束を

超おすすめ! アルジャーノンに花束を ダニエル・キイス 小野芙佐訳 1989 早川書房 【カバー見返しの内容紹介より】 32歳になっても、幼児の知能しかないチャーリイ・ゴードンの人生は、罵詈雑言と嘲笑に満ちていた。昼間はパン屋でこき使われ、夜は精薄…

シャドウ・ワーク(生活のあり方を問う)

シャドウ・ワーク(生活のあり方を問う) イヴァン・イリイチ 玉野井芳郎・栗原彬訳 1990 岩波書店 【カヴァー見返しの内容紹介より】 家事などの人間の本来的な生活の諸活動は、市場経済に埋め込まれ、単なる無払い労働としての〈シャドウ・ワーク〉と…

自由はどこまで可能か(リバタリアニズム入門)

自由はどこまで可能か(リバタリアニズム入門) 森村進 2001 2 20 講談社 本書は近年、政治思想・社会哲学の世界で話題になっているというリバタリアニズムについて広く解説し、哲学的な普遍性を持った思想として論じている。リバタリアニズムは、現…

地球で、たくさんの人が生きているのがみえる

とある英会話教室のポスティングをしている。 ポスティングとはポストにチラシを入れる仕事のことだ。人にその話をすると、「ああ、あのうざいやつね」って言われる。そうだ、あのうざいやつだ。 僕を雇っているのは、とある子供を対象とした英会話教室。だ…

死の商人

死の商人 岡倉古志郎 1999 9 30(改訂版) 初版は1951年 新日本出版社 【雑感】 死の商人。それは無数の罪のない人間に死をもたらす殺戮兵器を開発し生産し販売することで、利益を得る人々のことである。その例としてサー・バジル・ザハロフ、ク…

ことばの起源(猿の毛づくろい、人のゴシップ)

超おすすめ! ことばの起源(猿の毛づくろい、人のゴシップ) ロビン・ダンバー著 松浦俊輔+服部清美訳 1998 11 22 青土社 【本書の主張】 「言語は、猿の延長で毛づくろいという肉体的接触によって集団の連帯を維持していた人類の祖先が、より危険…

死んだ魚を見ないわけ

死んだ魚を見ないわけ 河井智康 H11 8 25 角川書店 【本書の主張】 私達はほとんどめったに死んだ魚を見ることはない。トロール網で海底をさらってもそこに死んだ魚を見つけることはない。元気な魚が捕れるだけだ。しかしそもそも、魚(特に硬骨魚類)は…

最近、腕時計について思うこと諸々②/②(時計とは私たちヒトの時間感覚を具現化したものであり、またそうであるがゆえに美である)

時間とは何だろう? 今、まさに目に見えてるこの世界は、私の脳がヒトの目という不完全な感覚器官から受けた中途半端な視覚情報を統合した恣意的なものだけど、時間というものもまた極めて恣意的なものだ。ネズミにはネズミの見えてる世界があり、ネズミには…

最近、腕時計について思うこと諸々①/②(アストロデアが美しいのは自然の美をほぼ純粋に取り入れているから)

時計は、特にデザインに力が入りやすい腕時計は、美しい。メーカーの公式サイトや代理店のサイト、オークション、時計雑誌なんかを眺めてはただ鑑賞している。 時計をつけるようになったのは確か高三になってからだ。それ以前は腕に時計なんかつけるのは嫌い…

夜と霧(新版)

夜と霧(新版) ヴィクトール・E・フランクル 著 池田香代子 訳 2002 11 5 みすず書房 【背表紙より】 〈わたしたちは、おそらくこれまでのどの時代の人間も知らなかった「人間」を知った。では、この人間とはなにものか。人間とは、人間とはなにか…

悪童日記

超おすすめ! 悪童日記 アゴタ・クリストフ著 堀茂樹訳 1991 1 15 早川書房 著者はかのミステリー作家アガサ・クリスティーとは何も関係ない。高い頻度で疑うと思ったから、念のため。 噂通りすばらしい小説。 訳者のあとがきがこれまた優れている。…