2013-01-01から1年間の記事一覧

前方後円墳の世界

前方後円墳の世界 広瀬 和雄 2010 岩波 内容、カバー折口より 見る者を圧倒する巨大な墓、前方後円墳。造られた当初は、全体が石で覆われ、時に埴輪をめぐらすなど、さらなる威容を誇っていた。三世紀半ばから約三五〇年間、この巨大古墳が列島各地に造られ…

社会的ジレンマ  「環境破壊」から「いじめ」まで

おすすめ! 社会的ジレンマ 「環境破壊」から「いじめ」まで 山岸 俊男 2000 PHP 内容、カヴァー折口より 違法駐車、いじめ、環境破壊等々、「自分一人ぐらいは」という心理が集団全体にとっての不利益を引き起こす社会的ジレンマ問題。数々の実験から、人間…

石油で読み解く「完敗の太平洋戦争」

おすすめ! 石油で読み解く「完敗の太平洋戦争」 岩間 敏 2007 朝日新聞社 内容、アマゾンより 筆者は元石油公団理事。その「石油屋」が、「アブラ」を縦軸にして太平洋戦争を読み解く。航空用ガソリン精製の日米技術力格差、真珠湾攻撃の「石油施設見逃し」…

古墳とはなにか 認知考古学からみる古代

古墳とはなにか 認知考古学からみる古代 松木 武彦 2011 角川 内容、カバー裏より なぜ前方後円墳のような巨大古墳が生まれ、そして衰退したのか。竪穴式石室から横穴式石室へという大転換はどうして起きたのか。長をまつる巨大な墳丘を「見上げる」行為や、…

日本語は人間をどう見ているか

日本語は人間をどう見ているか 籾山 洋介 2006 研究社 内容(「BOOK」データベースより) 「植物」「鳥」「天気」「機械」そして「想像上の存在」としての人間―いろいろな表現を楽しみながら日本語の新しい見方を知る。認知言語学の考え方にもとづいて、日本…

浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか 仏教宗派の謎

浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか 仏教宗派の謎 島田 裕巳 2012 幻冬舎 内容、カバー裏より 日本の仏教はさまざまな宗派に分かれており教義や実践方法が大きく異なる。にもかかわらず多くの人、とくに地方から都会に出て菩提寺とのつきあいを絶った人は…

天皇たちの孤独 玉座から見た王朝時代

天皇たちの孤独 玉座から見た王朝時代 繁田 信一 H18 角川 内容、カバー裏より 『枕草子』に描き出された華麗な王朝世界。その中心にあるべき天皇が、実際にはないがしろにされていた。摂政・関白の専横、それに追従する廷臣たち。孤立する天皇たちの深い嘆…

自分のアタマで考えよう 知識にだまされない思考の技術

自分のアタマで考えよう 知識にだまされない思考の技術 ちきりん 2011 ダイヤモンド社 内容、著者のウェブログより この本は、ちきりんが情報やデータなど何かの「知識」を得た時に、それをどう「思考」につなげているか、という“ちきりん流”「知識から思考…

数奇なる奴隷の半生 フレデリック・ダグラス自伝

お薦めする本 数奇なる奴隷の半生 フレデリック・ダグラス自伝 フレデリック ダグラス(著)、岡田 誠一(訳) 原著1845 法政大学出版局 内容、出版社ウェブサイトより 奴隷の子として生まれ,何度も転売されながら,独学で文学を覚え,幼児から逃亡までの過酷な…

江戸の外交戦略

江戸の外交戦略 大石 学 2009 角川 内容、背表紙より 「鎖国」は、決して外国との関係を閉ざすものではなく、東アジアや西洋諸国と安定的な関係を築いた、静かで着実な「国際化」であった。本書では「鎖国」を日本における国民国家形成過程の「外交体制」と…

うた恋い。和歌撰 恋いのうた。

うた恋い。和歌撰 恋いのうた。 渡部 泰明 (著), 杉田 圭 (イラスト) 内容、出版社ウェブサイトより 『うた恋い。』で和歌のすばらしさを知った、すべての人に読んでほしい 恋歌の和歌撰!『うた恋い。』の杉田圭と、監修者で東京大学大学院教授・渡部泰明の…

メイド イン ジャパン 驕りの代償

メイド イン ジャパン 驕りの代償 井上 久男 2013 NHK出版 内容(「BOOK」データベースより) 経営者という人材の劣化が組織の中から異質な考えを排除することを招き、それが「新しい価値」の創出を阻み、「メイドインジャパン」の衰退を加速させている。家…

ぼくには数字が風景に見える

ぼくには数字が風景に見える ダニエル・タメット (著) , 古屋 美登里 (翻訳) 原著2006 講談社 内容(カバー折口より) 著者ダニエルは、数学と語学の天才青年です。それは、ダニエルが映画『レインマン』の主人公と同じサヴァン症候群で、数字は彼にとって言…

倭国伝 全訳注 中国正史に描かれた日本

倭国伝 全訳注 中国正史に描かれた日本 藤堂 明保,竹田 晃,影山 輝國(著) 原1985 講談社 内容(「BOOK」データベースより) 古来、日本は中国からどのように見られてきたのか。金印受賜、卑弥呼と邪馬台国、倭の五王、「日出ずる処」国書、「日本」国号、朝…

GHQカメラマンが撮った戦後ニッポン 普及版

GHQカメラマンが撮った戦後ニッポン 普及版 ディミトリー・ボリア(撮) 杉田米行(編) 2008 アーカイブス出版 感想 ○GHQに雇われた、とあるカメラマンの撮った写真を集めた本。急速に復興していくトウキョウの様子と、なにより一般の市井の人々のおさめられた写…

日本語のレトリック 文章表現の技法

日本語のレトリック 文章表現の技法 瀬戸 賢一 2002 岩波 内容、背表紙より 「人生は旅だ」「筆をとる」「負けるが勝ち」「一日千秋の思い」…。ちょっとした言い回しやたくみな文章表現で、読む者に強い印象を与えるレトリック。そのなかから隠喩や換喩、パ…

ワンクリック ジェフ・ベゾス率いるAmazonの隆盛

ワンクリック ジェフ・ベゾス率いるAmazonの隆盛 リチャード・ブラント (著),井口 耕二 (翻訳) 原著2011 日経BP 内容、出版社ウェブサイトより 売上4兆円の世界最大のショッピングサイト、アマゾン・ドット・コム。本はもちろん、DVD、音楽、ゲーム、食料品…

人はなぜ戦うのか 考古学からみた戦争

人はなぜ戦うのか 考古学からみた戦争 松木武彦 2001 講談社 内容(表紙より) 縄文時代にはなかった戦争が、弥生時代、「先進文化」として到来した。食糧をめぐるムラ同士の争いは、いかに組織化され、強大な「軍事力」となるのか。傷ついた人骨・副葬武器…

森林飽和 国土の変貌を考える

森林飽和 国土の変貌を考える 太田 猛彦 2012 nhk出版 内容、カバー折口より 緑の木々に覆われた山を歩きながら、私たちは、そこが五十年前にはげ山であった姿を想像できるだろうか? 山の地肌が消え、土砂崩れが減り、川から砂がなくなる―これら二十世紀に…

アイヌ民族

アイヌ民族 本多勝一 1993 朝日新聞社 内容、出版社ウェブサイトより 硬骨のジャーナリスト・本多勝一が、20代の若きかけだし記者のころより深い関心をもって追い続けてきたアイヌ民族問題の集大成。アイヌ民族の暮らしを北海道の歴史や自然から説き起こし、…

神々の原像 祭祀の小宇宙

神々の原像 祭祀の小宇宙 新谷尚紀 2000 吉川弘文館【感想、背表紙より】 日本における神とは何か。この難問に民俗学の立場から迫る。各地の神社や寺院の儀式と祭り、歴史と伝承などを通して、日本の神観念の淵源を探り、神がケガレの吸引浄化装置として生ま…

暇と退屈の倫理学

暇と退屈の倫理学 國分功一郎 2011 朝日出版 内容、表紙より 何をしてもいいのに、何もすることがない。 だから、没頭したい、打ち込みたい……。 でも、ほんとうに大切なのは、自分らしく、 自分だけの生き方のルールを見つけること。 感想 ○「退屈」について…

人に愛されるのは子供。人を愛するのが大人

こんな話を聞いた。「人に愛されるのは子供。人を愛するのが大人。大人になるということは、他者から愛され自分の承認欲求を満足させていた存在を脱し、 他者を愛することで他者の居場所を認めてあげられる存在に成長すること。」

おつかれさまでした

阿蘇神社

おすすめ! 阿蘇神社 阿蘇 惟之 編 2007 学生社 内容、出版社ウェブサイトより 阿蘇山を祭る肥後国一の宮と阿蘇十二神の発生、数々の神話・伝説や古式を伝える特殊神事・神饌、阿蘇国造と阿蘇宮司家など、謎を秘めた阿蘇神社のすべて! 感想 ○阿蘇神社の宮司…

「なぜ 花はいつも」

なぜ花はいつも こたえの形をしているのだろう なぜ問いばかり 天からふり注ぐのだろう 岸田衿子『あかるい日の歌』、1979 この詩は実に不思議だ。「花」は「こたえの形」をしているという。 そして「問い」が「天からふり注ぐ」のだという。よく聞く話があ…

ロボット兵士の戦争

ロボット兵士の戦争 P・W・シンガー (著) 小林由香利(訳) 原著2009 NHK出版 内容(「BOOK」データベースより) クリックひとつで戦闘準備完了。ハイテクは、戦争のスタイルを根本から変えた。今後、技術開発はどこへ向かい、人類にどんな影響をもたらすの…

寝ながら学べる構造主義

寝ながら学べる構造主義 内田樹 2002 文藝春秋 内容、出版社ウェブサイトより 構造主義は現代思想の代表みたいにいわれるけれど、一体どんな思想なんだろう。そう思って解説書を手にとれば、そこには超難解な言い回しや論理の山。ああ、やっぱり現代思想は難…

失敗のメカニズム 忘れ物から巨大事故まで

失敗のメカニズム 忘れ物から巨大事故まで 芳賀 繁 2000 日本出版サービス 内容(「BOOK」データベースより) 1994年、名古屋空港着陸に失敗し大惨事となった中華航空機の墜落事故は、思いがけない操作ミスが原因だった。忘れ物や勘違いなど日常の小さなミス…

じつはよく知らなかった経済のことがスッキリわかる本 不況対策から国際情勢まで! おもしろく教える経済塾

じつはよく知らなかった経済のことがスッキリわかる本 不況対策から国際情勢まで! おもしろく教える経済塾 石川 秀樹 2012 大和書房 内容(「BOOK」データベースより) 就活生の経くんは、入社試験や面接で問われる経済のことがわからず、なかなか内定をもら…