神々の原像 祭祀の小宇宙

神々の原像 祭祀の小宇宙
新谷尚紀 2000 吉川弘文館

【感想、背表紙より】
日本における神とは何か。この難問に民俗学の立場から迫る。各地の神社や寺院の儀式と祭り、歴史と伝承などを通して、日本の神観念の淵源を探り、神がケガレの吸引浄化装置として生まれる仕組みを具体的に検証する。

【感想】
背表紙にある通りの本。
具体的には、安芸の厳島神社や出雲の佐太神社遠江の見付天神社、美作の両山寺に伝わる儀式を紹介する。そして、儀式儀礼の意味や
神・畏れ多きものに対する精神、
その根っこにあるものの見方を読み解こうとする。

本書で紹介される儀式にの意味には、
ケガレ祓いや
伝承されてきた神話(中央神と土着神の聖婚=中央王権地による支配・あるいは地方豪族の中央への食いこみ)の再現などがあった。
本書であげられたこれら儀式の意味は、他の神社や寺にもみられるだろう。
さまざまな神事や祭りを読み解いていくうえで一つの参考となる。
それぞれの儀式にはどんな意味があるのだろうか?、という視点で祭礼をみていくのもなかなかおもしろそうだ。

各章の最後では、まとめが付されていて、たいへん復習に便利。好ましい点だ。