自分のアタマで考えよう 知識にだまされない思考の技術

自分のアタマで考えよう 知識にだまされない思考の技術
ちきりん 2011 ダイヤモンド社

内容、著者のウェブログより

この本は、ちきりんが情報やデータなど何かの「知識」を得た時に、それをどう「思考」につなげているか、という“ちきりん流”「知識から思考への転換プロセス」について説明した本です。
「Chikirinの日記」はいろんな社会派トピックについての考察を載せているブログですが、この本は“その裏側にある思考プロセスの解説本”みたいな感じで、新聞やネットでみた情報を、ちきりんがどういうふうに受け止めて、どう料理しているか、ということを説明しています。

メモ

(過去他人が考えたことつまり「知識」と、先入観をもたず自分で考えたことつまり「思考」は、違うもの。知識をいったん「思考の舞台の外」に分離して自分の頭で考えることが大切。)p21

(自分の頭で考えることは、とても楽しいこと)p242

(情報をみたとき、なぜなのか?(背景) だからどうなるのか?(自分の対応、未来) を考えることが重要。)p42

(いろいろな可能性を検討しよう)第3章

いろいろと情報に目移りしたり、グラフとして整理するのに時間をかけるのではなく、「ひとつの情報にたいして十分な時間をかけてトコトン考えることが大事」p62

(世の中は複雑。ゆえにシンプルな基準で大事なものを見極める必要がある。でないと、決まらない、行動できない)p131

(重要なことは、世俗の選択基準を鵜呑みにし無批判に受け入れることではなく、自分独自の選択基準を見いだしそれで勝負していこう! という発想に転換すること。)p169

(問題の要素を分解して比較すると、様々なことがみえてくる)第8章

(階段グラフはものを考えるのに便利)第9章

(思考を視覚化することで、ものごととものごとの関係に対する思考などが深まる)第9章

感想

ざっくばらんに読むのには十分おもしろい。ただ、より深く多面的に物事を考える思考方法が体系的に整理されているわけではない。
ちきりん女史がよく使う思考方法を、思考過程とともに具体例をつけて述べている点が特に勉強になる本書の利点だ。

エッセーとして軽くおもしろく読めて、かつ参考になる本。