2009-01-01から1年間の記事一覧

桜が創った「日本」(ソメイヨシノ 起源への旅)

おすすめ! 桜が創った「日本」(ソメイヨシノ 起源への旅) 佐藤俊樹 2005 岩波 【内容、カヴァー折口より】 一面を同じ色で彩っては、一斉に散っていくソメイヨシノ。近代の幕開けとともに日本の春を塗り替えていったこの人工的な桜は、どんな語りを生…

太陽の花がくるくる回るよ。

くるくる回るよ。 太陽の花がくるくる回るよ。 輪廻の翼を広げて。僕はキミの夢を見る。 そうかい。ああ、そうだとも。 三つ数えるまで。僕は土のベッドで踊り狂おう。 さればこそ。 私は宵に掛け合う静寂の虹になるだろう。

機巧館のかぞえ唄

機巧館のかぞえ唄 はやみねかおる 1998 講談社 【内容(「BOOK」データベースより)】 機巧館でひらかれたパーティーのとちゅうで、老推理作家が消えた。そして、作家が消えるまえにつぶやいた呪文のようなかぞえ唄どおりにつぎつぎと事件がおこり、亜衣…

意見をもつということ

意見をもつことは恐ろしい。 たいていのものごとにはメリットとデメリットがある。その清と濁を併せ呑み込んで、何らかの判断をくだし、意見をもつことは難しい。 個人は情報を収集する認識主体だが、人の認知能力には極めて明快な限界がある。例えば、人は…

大学受験のための小説講義

大学受験のための小説講義 石原千秋 2002 筑摩書房 【内容、カヴァー折口より】 毎年、数十万人もが受験する「大学入試センター試験」の国語には、小説問題が必ず出題される。しかし、これらの問題には高校の授業では教えてくれないルールが隠されていて…

友人の話、本を読むことで得る能力

本を読むとどんな能力が得られるのか? 知識が得られるとか、全く基本的だし、ただやっぱりそれが本質だと思うけれど、友人がこの件についてその他に示唆的なことを話してくれたのでメモしたい。 僕自身、ある程度、本を読んできたと思うが、本を読んでると…

日本神話

日本神話 上田正昭 1970 岩波 【内容、カヴァー折口より】 白本神話といえばまず古事記や日本書紀を思い浮べる。しかし、記紀は政治的目的のもとに体系化されたもので、古代人の心の中に生きていた神話の世界はもっと素朴で生き生きしたものではなかった…

ほの暗い自我の奥底から

久しぶりに胸をうたれた。 『命は、大切だ。』 『命を、大切に。』 『そんなこと、何千何万回言われるより、』 『あなたが大切だ。』 『誰かが、そう言ってくれたら、』 『それだけで、生きていける。』 抑揚のない言葉、無気味な間、変化の乏しいタレントの…

眼中の人

超おすすめ!! 眼中の人 小島政二郎 1995(初版1942) 岩波 【あらすじ、表紙より】 年少より鴎外・荷風に傾倒していた著者(一八九四〜一九九四)が,芥川竜之介や菊池寛の知遇を得て文学に開眼してゆく経緯を描いた自伝的長編小説.文学修業の途…

1Q84 (BOOK1,BOOK2)

1Q84 (BOOK1,BOOK2)村上春樹 2009 新潮社 【あらすぎ、ウィキペディアより】 スポーツインストラクターであり、同時に暗殺者としての裏の顔を持つ青豆を主人公にした「青豆の物語」と、予備校教師で小説家を志す天吾を主人公とした「天吾の物語」が交互…

古事記の世界

古事記の世界 西郷信綱 1967 岩波 おすすめ! 【内容、カヴァー折口より】 イナバの白兎,国引き,オロチ退治,海幸山幸,天の岩屋戸の話など,古事記は私たちにとって親しみ深い古典である.著者は,古事記伝の宣長という縦糸と,イギリス社会人類学の…

贖罪

贖罪 湊かなえ 2009 東京創元社 【カヴァーより】 取り柄と言えるのはきれいな空気、夕方六時には「グリーンスリーブス」のメロディ。そんな穏やかな田舎町で起きた、惨たらしい美少女殺害事件。犯人と目される男の顔をどうしても思い出せない四人の少女…

イニシエーション・ラブ

イニシエーション・ラブ 乾くるみ 原書房 2004 【内容(「MARC」データベースより)】 目次から仕掛けられた大胆な罠、全編にわたる絶妙な伏線、そして最後に明かされる真相…。80’sのほろ苦くてくすぐったい恋愛ドラマはそこですべてがくつがえり、2度目…

カミと神(アニミズム宇宙の旅)

カミと神(アニミズム宇宙の旅) 岩田慶治 1989 講談社 【カヴァーの後より】 カミと神と、どちらを選ぶべきかということではない。人類が長い歴史の間に信仰しつづけてきた神の姿を尊いと思い、しかし同時に山河大地、草木虫魚としてわれわれをとりまき…

子どもの発言を引き出す基本技 国語科

子どもの発言を引き出す基本技 国語科 岡田健治 小林幸雄 監修 2007 明治図書 【出版社のwsより】 子どもがどんどん発言する! 学習システムとテクニックを紹介! 国語科の基本技にして①子どもの発言を引き出す学習システム、②子どもの発言を引き出す…

告白

告白 湊かなえ 双葉社 2008 【アマゾンの内容紹介より】 我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。選考委員全員を唸ら…

寝ながら学べる構造主義

寝ながら学べる構造主義 内田樹 平成14 文藝春秋 【カヴァー折口より】 構造主義という思想がどれほど難解とはいえ、それを構築した思想家たちだって「人間はどういうふうにものを考え、感じ、行動するのか」という問いに答えようとしていることに変わりは…

テクスト論に対する覚え書き

まずテクスト論とは何か引用したい。 「テクスト論とは、これまでの批評理論が「作品」の意味を「作者」の意図、主題、生涯、時代背景へと還元することを通じて確定し、その確定にいたる過程の作業を分析と称する作者還元主義の立場煮立っていたのに対して、…

「ザンヤルマの剣士」シリーズ

「ザンヤルマの剣士」シリーズ 麻生俊平 H5〜H9 富士見書房 【カヴァーの宣伝より】 「ザンヤルマの剣士」 鵬翔学院高校に通う矢神遼は、ある日、奇妙な紳士から、波形の鞘に収められた短剣を押しつけられた。『この剣は、抜くことができた人間に強大な力…

国のない男

国のない男 カート・ヴォネガット 金原瑞人訳 2007 日本放送出版協会 【出版社/著者からの内容紹介】アマゾンより引用 カート・ヴォネガット遺作、ついに刊行! 2007年4月に永眠したヴォネガットが2005年に本国アメリカで刊行し、NY Times 紙のベストセラ…

複雑さを生きる(やわらかな制御)

複雑さを生きる(やわらかな制御) 安富歩 2006 岩波 【「MARC」データベースより】 なぜ社会の安定は保たれるのか。人間関係、ハラスメント、組織の運営からテロリズム、環境破壊まで、現代の諸問題を複雑科学系の立場から読み解き、われわれの心身に備…

文学の新教室

文学の新教室 佐久間保明 2007 ゆまに書房 【ビーケーワンの内容説明より】 文学ってなんだろう? 文学の概念から始まり、口承文学、詩、戯曲、小説、批評、随筆、記録文学、児童文学の各分野を取り上げ、定義することの困難さが繰り返し語られてきた文…

アイヌ神謡集

アイヌ神謡集 【アイヌ神謡集とは? ウィキペディア(20081118)より】 アイヌ神謡集(あいぬしんようしゅう)は、知里幸恵が編纂・翻訳したアイヌの神謡(カムイユカラ)集。 1920年11月、知里幸恵が17歳の時に、金田一京助に勧められて幼い頃から…

「懐かしい知らない場所」

急にザバダックが聞きたくなって、CDを引っ張り出してきた。たまたま手に取ったのが、「桜」。 のれん分け直前のアルバムの一つ。 その中に、「Psi-trailing」という曲がある。 作詞、新居昭乃。 作曲、吉良知彦。 ボーカル、上野洋子。 「Psi-trailing」…

感性の起源(人はなぜ苦いものが好きになったか)

感性の起源(人はなぜ苦いものが好きになったか) 都甲潔 2004 中央公論新社 【表紙の折口より】 バクテリアなど単細胞生物は苦いものから逃げる。なぜなら毒だからである。ヒトの赤ちゃんも苦いものを避けるが、成長にしたがって好むようになる。違いはど…

エンダーのゲーム

エンダーのゲーム オースン・スコット・カード 野口幸夫訳 S62 早川書房 【カヴァーより】 地球は、恐るべきバガーの二度にわたる侵攻をかろうじて撃退した。捕らえた人間を情け容赦なく殺戮し、地球人の呼びかけにまるで答えようとしない昆虫型異星人バ…

虎よ、虎よ!

虎よ、虎よ! アルフレッド・ベスター 中田耕治訳 S53 早川書房 【カヴァーより】 ジョウント効果と呼ばれるテレポーテーションの開発によって、世界は大きく変貌した。一瞬のうちに空間を跳び、人々はどこへでも、自由に行けるようになったのである。し…

戯曲の読み方(戯曲を深く読みこむために)

おすすめ! 戯曲の読み方(戯曲を深く読みこむために) デヴィッド・ボール 常田景子訳 2003 ブロンズ新社 【「BOOK」データベースより】 芝居を成功させるためには、戯曲の構造やポイントを本当に理解する必要がある。一体どう読めば、ムードだけでなく…

いじめの社会理論―その生態学的秩序の生成と解体

いじめの社会理論―その生態学的秩序の生成と解体 内藤 朝雄 柏書房 2001 【「BOOK」データベースより】 "世界のとらえどころ無き欠如"に始まる"全能感のもて遊び"と"集団の祝祭"の追求、"倒錯するタフネス"の変容の果てに具現するいじめ秩序を、心理的構…

センスをみがく文章上達事典ー魅力ある文章を書く59のヒント

センスをみがく文章上達事典ー魅力ある文章を書く59のヒント 中村明 2005 東京堂出版 【「BOOK」データベースより】 文章を書くうえでの基本的な作法から効果を高めるさまざまな表現技術。そして文章の奥にいる人のけはいを映し出す表現の形と心まで日…