ほの暗い自我の奥底から

久しぶりに胸をうたれた。



『命は、大切だ。』
『命を、大切に。』
『そんなこと、何千何万回言われるより、』
『あなたが大切だ。』
『誰かが、そう言ってくれたら、』
『それだけで、生きていける。』


抑揚のない言葉、無気味な間、変化の乏しいタレントの表情。
ACらしい、暗く、不安をかき立てるいい広告だ。


『あなたが大切だ。』
『誰かが、そう言ってくれたら、』
『それだけで、生きていける。』


人は、ほの暗い自我の奥底に、狂おしいばかりの承認欲求をもっている。
人に認められたい。誰かに認めてほしい。「ここにいてほしい」って言ってほしい。


他人が認めてくれるなら、人は苦しい境遇の中でも生きていける。


人は、ほの暗い自我の奥底に、狂おしいばかりの承認欲求をもっている。私たちはそれを上手に利用しよう。さすれば、より効率的に「幸福」が手にはいるだろう。


ホモ=サピエンスに幸あれ。
地球に生を刻む人々に幸あれ。