論理的に話す方法 説得力が倍増するワークブック

超おすすめ!!
論理的に話す方法 説得力が倍増するワークブック
小野田 博一 1996 日本実業出版社

内容(「BOOK」データベースより)

自分の考えを正確に伝えるためには。「根拠をしめして結論を述べる」。論理的な話しかたを身につけよう。「話しかた」にも基礎があります。われわれ日本人が苦手な「論理的な発言」の基礎を本書で身につけてください。

感想

 論理的に考えるということはどういうことなのか? なぜ論理的に考える必要があるのか? 本書はこれらに答えを出してくれる。
 ウェットに富んだ文章で、日本人がいかに非論理的な発言をしているか論述している。筆者の意見には大賛成だ。
 高校国語の教科書の文章でさえ、そして大学入試に出される現文の問題でさえ、その多くは非論理的である。根拠のない主張が積み重ねて文章を構成している。その駄文を分析していると、非常にイライラしてくる。「お手本」とされる教科書の評論がこの様だから、それ以外の文章はどうか、推して知るべしである。
 最も、学習指導要領にははっきり「妥当性を評価する」という指導目標が盛り込まれている。それに自分の意見を論述させるピサ型の試験がマスコミに持ち上げられ、その得点向上に文科省も関心をもっているので、今後の日本人はより論理的になるだろう。日本語の言語空間にも論理的な文章が増えるだろう。
 高校教育で「論理」を中心的に担えるのは「国語」だろう。
 優勝な生徒が高い割合で通う進学校は学習指導要領ではなく、大学入試をみながら教科を指導しているのが実情だ。
 大学には、国語の入試問題に
「筆者の論理を問うたり」、
「隠れた前提を問うたり」、
「根拠や推論の強さを自分なりに考えさせたり」、
「妥当性を評価させたり」、
「反論させたり」、
「筆者の意見に対する自分の考えを論理的に述べさせたり」
することを強く強く切望したい。
少しでも多くの人がそう願い、意見を述べること。それこそが日本の現状のよりよい改善に繋がるはずだ。

メモ

「日本は現在、テクノロジーでは世界を導く役割を担っていますが、発言力の面では、残念ながらリーダーの一員ではありませんし、日本的な発言を続けるかぎり今後も同様でしょう。なぜなら、典型的な日本的な発言は論理的ではなく、論理的でない発言は国際社会では通用しないからなのです。」

「数学の問題を解くために数学の知識が必要なことと同じで、論理的な発言をするためには、論理的な話しかたに関する様々な知識が必要なのです。」p16

(日本人のほとんどは論理的な発言――特に反論のしかた――に関して無知)p27

(日本には、直接的な主張をしない人が多い。また個人的な意見が求められているにも関わらず、個人的な意見を述べずに一般論を述べる人が多い。)p28

「論理的な発言をするためには、あなたは完全にあなた個人でなければなりません。それゆえ「論理的な発言をする」という観点からは、あなたは画一主義をある程度は捨てなければならないこともあるかも知れません。」p35

「真実をいくつ積み重ねても、組み立て方が正しくなければ、得られる結論は真であるとはかぎりません」p44

(アーギュメント→前提1+前提2+前提……(数個の前提)+結論
ステイメント→結論のみ

論理的な発言になるにはアーギュメントである必要がある。日本はステイメントが多い。幼稚に聞こえる。一方、欧米はアーギュメントが多い。しっかりした意見も持ち主という印象を受ける。
日本人はアーギュメントを増やさなければならない。)p63

(日本人は間違った発言をすることを極端に避ける傾向がある。個人的な発言が飛び交う明るい国になってほしい。)p140

(スピーチに対する批判の方法
①スピーチの良い点を一つか二つ述べる
②否定的なコメントは一つか二つにとどめる
③どう改善したらいいか建設的な提案をする
④具体的にはっきり示すこと)p201