文学作品には、その作品をつき動かす力がある。

 文学作品には、その作品をつき動かす力がある。その作品の登場人物たちを行動させ、また自然現象を生じさせ、そして、偶然や出会いを導く力がある。
 その力が働くから、文学作品は喜劇となり、あるいは悲劇となり、私たち読者の心をうつのだ。
 自分が今読んでいる文学作品をつき動かす力はどんな力か? どんな力が作品世界を生み出し、支配し、そして終わりに導くのか?
 自分なりにそれをつきとめようとすることが、ボクにとっての一つの良い読書行為の様態である。