百億の昼と千億の夜

百億の昼と千億の夜
光瀬龍 s48 早川書房


【背表紙の宣伝より】
何かがはじまりそうだった。たしかに何かがはじまりそうだった。西方の辺境エルカシアの宗主より「アトランティス王国滅亡の原因はこの世の外にある」と知らされた哲学者プラトンは未だ一度も感じたことのなかったふしぎな緊張と不安をおぼえた……ギりシャのプラトン、釈迦国の悉達多、ナザレのイエス、そして阿修羅王は世界の創成から滅亡、≪シ≫に示唆される破滅へと向かう万物の流転の長い時の流れの中で、どのような役割を呆たしたのかーーー壮大な時空間を舞台に繰り広げられる、孤高の作家光瀬龍の早里程標ともなった日本SF史に揮く巨篇。


【雑感】
う〜ん。超有名なSFなんだけど、、、。僕的にはあまりおもしろくなかった。


なぜ、破滅を言う仏や神はその前に人間を救わないのか? というのが本書の最重要キーワード。まあ、ここから、人類はいわゆる超越者的なものの手のひらの上で躍っていただけだった、みたいな世界観が出てくるのだ。


主人公たちが激しく時空を超えて戦うあたり、小松左京の「果しなき流れの果に」と似ている。本書のほうが時空の越え方が唐突すぎて分かりにくかった。たぶん僕の本書に対する不満はそこに集約されているように思う。SFにしろなんにしろ、やっぱり少しは論理的じゃなきゃ、頭に受け入れられない。


【名言】
阿修羅王: 「認識というのは情報処理の一つの結果に過ぎない」p144


《20070519の記事》