古事記講義

古事記講義
三浦 佑之 文芸春秋 2003

内容、出版者ウェブサイトより

古事記の神話・伝承は、様々な情報の宝庫である。『口語訳 古事記』で記紀ブームの先駆けとなった著者が、四つのテーマからその深みに迫る、初心者にも専門家にも刺激的な集中講義。古事記で語られる伝承の多くは、権力に向き合い、あらがって滅び去る者たちへの共感を抱えている。古事記をより面白くより本格的に味わう本。

メモ

古事記に語られる伝承は日本書紀と比べると、(スサノヲやオホナムヂが主人公となる出雲神話)や(ヤマトタケルの物語)、(マヨワとツブラノオホミの物語)のように権力に向き合い抗って滅び去る者たちへの共感を抱え込んでいる。それが今でも古事記を魅力的な文学作品にしている理由の一つ。ヤマト王権の外部、あるいは王権と外部との狭間にいて、国家や王権にある種の違和や矛盾を感じる者たちこそがこのような物語を語ることができた。

出雲国風土記には「コシ」の国に関係する記事が目立つ。日本海を交通路とした交易圏が存在し、それがひとつの文化圏となっていたのではないか。

感想

古事記の世界観が人間や神々をどうみているのか、整理している。基本的な事柄を指摘しており、初学者むき。