(『よくわかる考古学』、松藤和人、門田誠一 編著)より

(『よくわかる考古学』、松藤和人、門田誠一 編著)より

旧石器時代は、寒冷な環境でナウマンゾウといった大型動物を槍をもって追いかけ、遊動生活をおくる。
一方、縄文時代は温暖化とともに大型動物が絶滅。イノシシなど小型で素早い動物を弓で狩り、煮炊きができる土器で食用植物の幅を広げ、豊富になった魚介類への依存度を高め、食物の安定的捕獲、加工、貯蔵、保存により定住生活を確かなものにした。

縄文文化は遠い九州から沖縄にいたる南の島々に伝わっている。しかし、より近い朝鮮半島樺太には細かい技術や情報が伝わっていない。これは言葉の違いを示しているか。

弥生時代にみられる環濠集落と高地性集落は、当時の軍事的緊張をにおわす。これは弥生時代の前後に位置する縄文時代古墳時代には一般的ではない。弥生時代、列島の農耕社会が複雑化する過程で、「戦」が重要な役割を果たしていた。

古墳時代の最大の特徴は、日本列島史のうえでも特筆されるほど、墳墓の築造と被葬者への副葬が重要視されたこと。

・5世紀半ば頃まで、朝鮮半島南部から鉄の延べ板を入手し、これを加工していた。5世紀後半以降、日本でも鉄素材をつくるようになっていった。

・東アジアに比して日本の古墳の特徴
 ・・大きな墳丘
 ・・多数の銅鏡を埋葬すること
 ・・1つの空間に多人数を埋葬(群集墳や横穴式石室)
 ・・明らかに殉葬とわかる例は発見されず
 ・・墓誌(埋葬者の事跡を示したもの)なし

アメリカ大陸の発見によって食生活は大きく変化。トウモロコシ、トマト、トウガラシ、カボチャ、インゲンマメ、ジャガイモ、サツマイモ、ゴム、タバコ、カカオ、バニラ、アボガド、ピーナッツ、パイナップル、パパイアをはじめ、世界の作物の6割はアメリカ大陸原産。

メソアメリカ文明旧大陸の文明との交流なしに高度に発展。メソアメリカの考古学は、文明とは何か、人類とは何か、人間社会や文化の共通性と多様性について、新たな視点や知見を人類史に提供できる。