(『地形を楽しむ 東京「暗渠」散歩』、本田創編著)より

(『地形を楽しむ 東京「暗渠」散歩』、本田創編著)より

(暗渠探索のおもしろさについて)
「もともと川だった暗渠も高いところから低いところへと続いていく。それをたどっていくことはそのまま地形に沿って土地を歩くことでもある。地形をなぞることで立ち上がってくる空間は、ときに新鮮だ。たとえば町名や坂名などの地名が、暗渠を意識することによって、たんなる名前ではなく地形と結びついて、関係性をもち立体的に浮かび上がってきたりもする。」p7

「 ふだんの生活で東京を行き交うとき、それぞれの場所は、駅や交差点により形成されたグリッドの中にプロットされて把握されているだろう。しかし、いったん暗渠や川跡がつなぐこのネットワークのレイヤーに気がつくと、地名や地形はつなぎ直され、駅前の風景の下に潜む、今まで把握していた座標系による姿とは異なった東京の空間が立ち現れてくる。」p8