オタクの息子に悩んでます 朝日新聞「悩みのるつぼ」より

オタクの息子に悩んでます 朝日新聞「悩みのるつぼ」より
岡田斗司夫、FREEex著 2012 幻冬舎

内容、背表紙より

父親が大嫌い、ツイッターで悪口を書かれた、女優と結婚したい…こうした悩みを打ち明けられた時、どんなアドバイスができるか。朝日新聞土曜別刷りbeの人気連載「悩みのるつぼ」で、誰よりも相談者の気持ちに寄り添い、「役立つ回答」を編み出し、読者や相談者本人から絶大な信頼を得る著者が、「回答」に辿り着くまでの思考経路を一挙に公開。人生相談と本気で格闘することで、問題解決のための分析力、思考力が身につく、画期的な書。

感想

○タイトルが変にキャッチー。内容はイイ意味でもっとずっと多様なのに。タイトルで大損している。

○読んでいて、やはり岡田斗司夫は頭がいいと思った。本書は朝日新聞読者のお悩み相談と、それに対する岡田斗司夫の解答が並んでいる。お悩み相談を読めば、何となく自分なりの解答を考えてしまう。そうして岡田斗司夫の解答と見比べてしまうのだ。もちろん解答にかける時間も責任もまるで違うわけだが、彼我の差をつきつけられているようで、氏の解答にはうなってしまうものばかり。

岡田斗司夫の解答の特徴をざっくり整理してみたい。
一番の特徴は、相談者自身が気づいていない感情を分析し、内面にふみこみ、読み解いている点だろう。なにが聞きたいのかあえて疑い、問題の本質に迫ろうとしている。この視点が、単なるカウンセリングマインドと大きく異なる点だ。
氏の分析には何度も感心させられた。

また現在の相談者の力で解決できる(すべき)点とそうでない点をうかびあがらせ、ときに身も蓋もない選択肢をあえて提示し、問題をシンプルにすることでややこしいことをすっきりと整理している。そのことで何に注力できるのかすべきなのか示している。

なお、解決策を提示することもあるが、悩みの程度が軽くなるような考え方を提案することも多々あり、そういう発想の転換も参考になった。

メモ

○「一人前とは、仕事で部下を持つとか、家庭を持ったりするなど「弱いものの面倒を見ること」」