完全保存版 頭骨図鑑

完全保存版 頭骨図鑑
吉田賢治監 2014 双葉社

内容、出版者ウェブサイトより

サーベルタイガーの末裔・ウンピョウにインドネシアの奇獣・バビルサなど貴重な生物から、トラやヒグマなどの猛獣、ホオジロザメノコギリエイなど海の巨大生物まで、全69種の頭骨を写真と共に紹介。進化の過程や生態を学ぶ上でも、美術品として鑑賞する上でも、役立つ知識が満載のハンディ図鑑。

感想

・筆者によると、動物の頭骨には生物の特徴が凝縮されているという。その頭骨に的を絞って検討することにより、各動物の身体的特徴や生活を、わかりやすく整理して紹介している。

・霊長類すら載っているのに、「人」の頭骨は載っていない。もったいない、もったいない。
魚類からは虫類、草食動物に肉食動物、そして霊長類と、いろいろな動物の頭骨と、その身体的能力、そこからうかがえる生活について、筆者と一緒に読者はさんざん検討しているわけだ。この最後に(最後でなくてもよいけれど)、人間の頭骨をもってこなくてどうする! 動物の一種としての「ヒト」という視点から、我らが人類を照射する最高の機会なのに。
せっかくだから、他の動物だけでなく、我ら人類を一直線に考えるページがあってもよかった。

有袋類齧歯類は頭骨が似ているそうだ。進化の流れを考えさせられるなあ

・ライオンをはじめとする肉食動物の頭骨はわかりやすかった。本書で指摘されていたのは次の点である。
剣歯を支える厚い下あご。
筋肉をつけるために張りだしたほお骨。