謎の渡来人 秦氏
謎の渡来人 秦氏
水谷千秋
メモ
○秦氏の特徴。
・渡来系の豪族。
・古代において最も多くの人口と広い分布を誇る。
・農耕をはじめとする様々な産業の勃興に貢献。
・本拠地は山城の国。渡来系豪族の娘を母としてもつ桓武天皇は、この秦氏の開発した地に長岡京・平安京を築いた。秦氏の影響があったか。
・秦氏本家は政治にあまり進出せず。
・渡来系豪族でありながら、神祇信仰と深いつながり(稲荷大社、松尾大社、賀茂神社など)。土着神を尊重し祭祀を継承したり、有名な神を勧請して古い神社を再生しようとした。
○桓武天皇について
→渡来系豪族の娘を母としてもつ。
もともと渡来系の豪族は政治的には高い地位にくい込めていなかったが、渡来系の豪族を異例の抜擢。
渡来系豪族の娘を他の天皇に比べ、多くめとる。
○内裏(平安京)の敷地は、もともと秦河勝の邸宅だった、という伝承が残っている。延喜式に宮内省にあると記されている「園神社」「韓神社」は、秦氏の屋敷神、祖先神だったか。
感想
○本書の主題とは関係ないけれど、想像以上に渡来系豪族は政治的には高い地位にくい込めていなかった。ということを学んだ。ちょっと意外。
○秦氏は殖産興業に長けた一族だったというが、その根拠がよくわからなかった。根拠らしきものがあってもあいまいというか。
産業に力を入れるのはある意味当然であって、そんな中、他の一族と「比べて」どうなのか、という視点が全くなかった。残念。