お金の教室 二十歳の君に贈る「マネー運用論」

お金の教室 二十歳の君に贈る「マネー運用論」
山崎 元 2011 NHK出版

内容、出版者ウェブサイトより

君たちに損をさせないための
本気の授業!

「お金はタブー」という風潮のせいか、日本では、投資や金融リテラシーに関する教育の機会が乏しい。そのため、大切なお金を簡単に失ってしまう人も多い現状がある。本書では、リスクとコストに重点をおきながら、正しくて損のないお金の運用方法を初心者にも分かりやすく、面白く伝える。金融のプロが教える一生ものの「お金の知識」。

感想

○読みやすくて勉強になった。一生使える普遍的なお金の知識をおさめたという。うまい口上で客を引っかけようとしている各種金融機関から自分の身を守るためにも、本書のような金融に関する知識は、ぜひぜひ義務教育段階で教育すべきと思っている。

資本主義を生きるうえで必須というか、常識としてね。

○(自分自治体:お金の教室―二十歳の君に贈る「マネー運用論」 山崎 元)http://amayaho.blog66.fc2.com/blog-entry-337.htmlに以下のような指摘があったが、同意見。僕もまま最近、びっくりするほど高額な保険を勧められたことがあったので。

「「保険」の話が入っていないのが残念でした。本書の原則(P25「相手は自分からどんな利益を得ようとしているのか」を考える)を読んでいれば、応用は効くと思いますが、やはり保険の営業勧誘は新入社員・若者の誰しもが通る道ですから、章立てして記載してくれると1冊で金融の全体がわかる本になったかな? と思います。」

メモ

○金融に関する理論・学問が、投資家の投資内容を改善することよりも、金融ビジネスの側が顧客から利益を稼ぎ出すために「悪用」されている。p4

○儲け話をもちかけられたとき、相手がこの話をすることでどんな利益を得ようとしているのか、瞬時に考える癖をつけよう。p27

○投資は、期待回収率が100%を超える。ただ、損をする可能性もあるという意味ではギャンブルともいえる。p48

○株式・債券・融資・不動産投資は投資であり、期待リターンはプラスになる。
一方、為替取引は投機であり、ゼロサムゲーム。だから為替取引は投資に比べ、長期間安定的に稼ぎ続けることが難しい。

○印象だが、銀行をはじめとする金融機関は、金持ちからは運用の手数料を稼ぎ、そうでない庶民からは借金の金利を取る、というビジネス戦略をとっているように見える。p65

○投資家は、自分の買値にこだわらず、現在の株式の価格を冷静に分析できれば一人前。

○人間には、自分の意志決定や行動を、実際の因果関係よりも過大に評価する傾向がある。「オーバーコンフィデンス」という。いわゆる自信過剰。人生全般においては自信をもって生きることもよいが、経済的な意志決定においては、このような自信過剰は損につながりやすいので極力避けるべき。

○バブルを中心とする経済・相場のサイクルは、ある程度までパターン化されている。

○「金融機関は、「あなたから儲ける組織」であって、「あなたを儲けさせる組織」ではない。」p203