こころ まんがで読破

こころ まんがで読破
夏目 漱石 マンガ化した人物不明 2007 イースト・プレス

内容(背表紙より)

人間を信用せず、豊富な知識を持ちながら仕事にも就かず、美しい妻と隠居生活を送る「先生」には、人には言えない暗い過去があった。ある日、「先生」の不思議な魅力に惹かれていた「私」のもとに突然、一通の遺書が届く。遺書が物語る「先生」の壮絶な過去とは?日本文学史に輝く文豪・夏目漱石が人間のエゴイズムに迫った名作を漫画化。

感想

○原作と比べ全体的にだいぶ脚色というか、補いがある。「こころ」に関しては原作が大好きで大学生のころも多少勉強したことがあったので、原作に対するこだわりがあり、あまり本書の脚色にいい印象はもてなかった。

特に前半の語りで手である青年の「私」に対し、社会になじめず、過剰に自意識を肥大させていて、大学卒業後も働く意欲のない人物として脚色されていた。これどうなんですかね? 現在の若者に対しときおり指摘される「偏見」が前半の語り手の青年の「私」に強引に重ねられているようで、不快な気持ちになった。

○原作に親しむとっかかりとしてはいいと思うんだけどね。

○後半の語り手「先生」が「K」の墓をお参りするシーンがあるのだが、その墓にバカ正直にアルファベットの「K」がでかでかと一文字で、その墓碑銘として彫られていて、思わず笑ってしまった。ギャグ漫画のワンシーンみたいでね 笑