2100年、人口3分の1の日本

2100年、人口3分の1の日本
鬼頭 宏 2011 メディアファクトリー

内容、カヴァー折口より

日本の人口は、現在の1億3千万人が50年後に9千万人に、100年後には4千万人にまで減ると予想されている。この変動が政治や経済や労働環境、家族関係や恋愛のあり方までをも大きく変えてしまう。それは、滅びゆく寂しい社会なのか、それとも意外なユートピアなのか?歴史人口学の第一人者が数々のデータを駆使して描き出す、人口という名の未来予想図。

感想

人口減少により、老人たちを支える労働年齢の人々の負担はますます高まり、人口分布の地域格差は広まり、生産力も弱まる。社会の様相が一変する。著者は、問題を解決するために人口増加をやみくもに推し進めるのではなく、人口維持を目標としつつも人口減少をうけとめ、新しい社会の在り方を模索すべきだと説く。

筆者の説いていることは全くその通りで、私たちは次のステップに進まなければならない。つまり、
人口がこのまま急減していくとどうなるのか?
どのような社会になるのか?
その人口と、いびつな年齢の分布で人々が幸せになるにはどのような社会システムが望ましいか?
そのような社会システムをつくるにはどうすればいいか?
といったことを整理し、分析し、考察していく必要があるだろう。

本書はその役に立つのだが、いまいち内容が浅いと感じた。結局、新聞の社説レベルの内容。あまりに常識的な内容が多い。思いついたことを書いてるだけ。

メモ

(日本は今、深刻な人口減少に直面している。
日本は歴史上、数回、人口減少を経験してきた。
それらは「文明の成熟化」によるものである。
「文明の成熟化」すると、人口は減少する。)

(日本は、先進諸国の中でも労働生産性は低い。特にサービス業。
一方失業率の変動が低く、景気が悪くなっても従業員を養っているから労働生産性が低くなっているのかもしれない。)p70

「2100年、いや2050年であっても、日本が一人暮らしをする高齢者中心の社会、いわば老人たちのシングル社会になることは免れない。」p131

(今後、都市への人口の集中。老人の定義の引き上げ、が予想される)

(労働力を維持したければ外国人を受け入れるしかない)