大学生の論文執筆法

大学生の論文執筆法
石原千秋 2006 筑摩書房

内容、カヴァー折口より

大学生にとって、論文を書くとはどういうことか。誰のために書くのか。何のために書くのか。大学での授業の受け方や大学院レベルでの研究報告書の作法、社会に出てからの書き方まで、論文執筆の秘伝を公開する。かつて流行った決め言葉の歴史や、カルチュラル・スタディーズが隆盛となったここ最近の学問の流れをも視野に入れた、実用書でもあり、読み物でもある新しい論文入門。

感想

再読。
三年くらい前にも読んでいた。忘れてた。
http://d.hatena.ne.jp/skycommu/20090522/1242994911

そのときも感想を書いているけれど、けっこうつっこみを入れている。清く正しく美しい大学生だったようだ。うんうん、安心、安心。

改めて読んでメモしたい部分があったので、以下にメモしたい。ちょっとは経験が増えて、〈いいことかいてるなあ!〉と思う部分がいくつかあった。三年前の僕は別の部分をメモってたので、今回メモした部分は琴線には触れていなかったようだ。
僕も変わっているようで、うんうん、安心、安心。

メモ

「ふだん何気なく使っている表現の細部からも思想は読み取ることができる」p19
→もっというと、ふだん何気なく使っている表現の細部から こそ 思想は読み取ることができる。

「誰も反対しないような「意見」は意見の名に値しない」p62

「抽象的な提案は立派でも、具体的な提案になると必ず欠点が出る。完全な具体案というものは、ない。それが具体案の宿命である。それで、「総論賛成、各論反対」ということがよく起きる。しかし、きれい事をいつまでも言っていたのでは、何も決められない。欠点を知りつつ決断しなければ何も変わらない。そう、「大切な何か」を失っても、だ。だから、判断ばかりで決断せず、きれい事の抽象論から一歩も出ようとしない人が、僕は嫌いだ。」p63

(夏休みはたくさんの経験をせよ) 「僕自身は「作者の死」以降の文学理論を信望していて、「作者」の人間性なんてまったく興味がないが、文学系の授業を受け持つ身として、学生の人間的成長が文学研究に与える影響を度外視することはできないのだ。」p69