小中学生のための世界一わかかりやすいメディアリテラシー

小中学生のための世界一わかかりやすいメディアリテラシー
藤武士 2008 宝島社

内容(「BOOK」データベースより)

メディアってなんだ?テレビや新聞もウソをつく!?ネットとつきあう秘訣もいっぱい!テレビや新聞などの見方から、ネットでいじめられない方法まで完全解説。

感想

メディアリテラシーについて、基本的なことが書いてある。多メディア化の時代で多様な情報が豊かに溢れる世界であって、かつ、私たちの認識の多くがメディアから成立していることを鑑みれば、メディアリテラシーを学び実践することは最重要課題だと思う。健全な市民社会をつくる上で。
本書は特段目新しいところはないが、小中学生に的を絞っていることが評価できる。メディアリテラシーを身につけ、実践することは小さい頃から必要だ。
ただ本書には、いわゆるマスメディアに対する信頼が結構あるよう。マスメディアも間違うことがある、という指摘がほとんどない。
そこが大いに不満だった。私の認識はマスメディアは間違いだらけ。低レベル。それどころか社会にとって害になることも多いと思っている。

つい先日、鉢呂吉雄経済産業相が辞任することになった。福島原発を「死のまち」のようだったと表現したり、福島原発周辺の視察から東京に戻ってきてオフレコの場で記者に「放射能つけるぞ」という趣旨の発言をしたとマスコミが騒ぎ立てたせいだが、こういうくだらない失言をいちいち揚げ足取り、政策の話がまともにできないマスコミにはうんざりする。
もっとも毎日新聞は、鉢呂吉雄経済産業相のオフレコでの話の趣旨(放射能除去をしっかりしなければならない)を伝えようともしていて好感がもてた。
鉢呂吉雄経済産業相の「死のまち」発言の何が問題なのか僕には理解できない。
放射能をつけるぞ云々の行動は僕も適切だとは思わないけれど、辞任するほどでなはいと判断する。
発現の揚げ足ばかりとらないで、いいかげんマスメディアは政策を論じる能力をつけてほしい。

メモ

「これまで以上にマスメディアをうまく利用し、一方的にメディアに振り回されることなく、自分の意見を育み行動できるようになる人が、一人でも増えてくれるよう」p5

「私たちは報道がなされたときには、それが情報なのか解釈なのか、事実なのか感想なのか、ニュースなのか意見なのかをきちんと見分けられるようにならなければなりません。」p83

(加工・編集の効果を軽視しない、データや数字はどのようにでも使える)p90

「言葉の力を過小評価しない、過大評価しない」p205