先生のための古典文法Q&A100
先生のための古典文法Q&A100
中村幸弘 H5 右文書院
内容(「MARC」データベースより)
今日の授業、明日の教材研究と、実際の授業に根づいた、予測されるQ(質疑)と具体的なA(解答)との内容で構成された、先生のための文法書。学界の新研究、新情報も満載。
感想
古典文法についての本。Q&A方式で、浮かびやすい疑問に答える・解決するという方法。読みやすく、分かりやすい。
高校生向けの文法書には載っていない、《言葉と言葉の微妙な差異》や《語源》、《文法史》について触れている。おもしろかった。
やはり読解の肝である「助動詞」の項目は、古典を読むうえで特に役立ちそうだ。
メモ
「そもそも助動詞は、動詞がその性質を、辞というか、付属語というか、そういう性質のはたらきに固定・定着させた結果生まれたものと考えられます」p66
(「き」のようなカ行の過去の助動詞は、動詞の「来」から変化したといわれている。
「せ」のようにサ行の過去は助動詞は、動詞の「す」から 〃)p66
(完了の助動詞「つ」は、動詞の「棄(う)つ」が他の動詞の連用形にくっついて「う」が消えていったもの。
完了の助動詞「ぬ」は、動詞の「往(い)ぬ」が他の動詞の連用形にくっついて「い」が 〃)
「係助詞の「「ぞ」は、感情的に強く、「なむ」は理知的で穏やかに語りかけるものというように整理されています。」p145