聖の青春

聖の青春
大崎善生 2000 講談社

内容、出版社ウェブサイトより

話題の作家のデビュー作!
将棋の知識は必要ありません。

村山聖、A級8段。享年29。病と闘い、将棋に命を賭けた「怪童」の純真な一生を、師弟愛、家族愛を通して描くノンフィクション。新潮学芸賞受賞作。

重い腎臓病を抱え、命懸けで将棋を指す弟子のために、師匠は彼のパンツをも洗った。弟子の名前は村山聖(さとし)。享年29。将棋界の最高峰A級に在籍したままの逝去だった。名人への夢半ばで倒れた“怪童”の一生を、師弟愛、家族愛、ライバルたちとの友情を通して描く感動ノンフィクション。第13回新潮学芸賞受賞作

感想

 幼くしてネフローゼにかかり、死と常に隣り合わせにありながら、もがき続けた棋士村山聖(さとし)の人生を描く。病気と闘いながらも、将棋のセンスと、ひたむきな努力、名人位への強い願望、性根の負けん気の強さ、優れた集中力、そして何より将棋への強い執着から、将棋の最高峰であるA級まで昇りつめる。特に、羽生善治と相性が良かったみたい。
 周りの人にも恵まれ、愛と関心を向けられる。「純粋で強情でユーモラスで、わがままでやさしくて強くそして弱かった」と著者に評される人間味豊かな村山棋士の、社会的に好ましい面も社会的に悪い面も含め、短くも中身の詰まった人生を一気に綴っている。