アンフェアな月

アンフェアな月
秦 建日子 2006 河出書房新社

内容、「BOOK」データベースより

「娘が誘拐されました」「生後三ヶ月なんです」―錯乱状態の母親からの110番通報。母親の事情聴取に入った刑事・雪平夏見は母親の不審な行動に疑いをもつ。狂言か?―そこにかかってきた一本の電話。具体的な要求をしない奇妙な誘拐犯の目的は何か?赤ん坊の安否は?…事件は思いもかけぬ方向へと進み、やがて胸を打つラストへ―バツイチ、子持ち、大酒飲み、捜査一課検挙率No.1、そして「無駄に美人」。

雑感

主人公の造型がうさんくさい、幼稚。狙ってるのがみえみえ。ネジのとんだ人間にするだけで、読者の興味を引ける魅力的な人間になるわけではない。
各登場人物に、いまいち感情移入できなかった。
犯人の動機や狂気、捜査官の事件解決への情熱、被害者の悲嘆。
それだけ、物語世界をきちんと築き上げられていないと思う。