自壊する帝国

自壊する帝国
佐藤優 2006 新潮社

内容、出版社ウェブサイトより

ソ連日本大使館の外交官・佐藤優は、いかにして“ラスプーチン佐藤”と呼ばれるようになったのか?
ソ連邦末期、世界最大の版図を誇った巨大帝国は、空虚な迷宮と化していた。“国家とは、かくもあっさりと滅びてしまうのか!?”そして、“混沌の中で人は何に従って生きていくのか?”――ソ連邦が崩壊していく一部始終を内側から見つめ続けた著者が、卓抜した調査力の全てを投じた迫真のインテリジェンス・ノンフィクション!

雑感

かつてアメリカと世界の覇を争った超大国ソビエト連邦が崩壊するさまを、インテリジェンスの立場から描く。
多数の民族や地域を内包したソビエトという国はそもそも、自壊する要素を内包していたのではないか。
国外における日本国のインテリジェンス(情報収集活動)の一端が伺えて面白い。本書を読んでいて、インテリジェンスの基本は人脈の構築にあるように思った。その点、潤沢な接待や、こちらからの情報提供はもちろんだが、なにより人間的魅力がないとつとまらないと感じる。
佐藤氏がインテリジェンスとして優秀だったのは、その人間的魅力におうところが多いのだろう。
「誠実」
そんな言葉が、佐藤氏の行動を読んでいて思いついた。