赤い夢の迷宮
勇嶺薫 講談社 2007
【内容、カヴァー裏より】
小学校だったあの頃、仲良し7人組のぼくらは
待ち受けていたのは悪夢のような殺人事件だった。
【雑感】
児童向け推理小説で有名な「はやみねかおる」氏が、大人向けに書いた小説。
シカケは問題なく積み上げられ、物語に明確な破綻があるわけではない。しかし、一人一人の登場人物に対する掘り下げが甘い甘い。
特に本作には、「狂った」人物が何人か出てくるが、彼らがなぜ狂っているのかという点で、読者を共感させるだけのものはなかった。狂気の質も単調で単純。
ただぐいぐい読んだので、絶妙に謎を配置して、うまーく物語を展開していたとは思う。