小説のような話。女性は少年にどんな話をしたのだろうか?

最近、うちの近くで殺人事件が起こった。
被害者はさらにうちの近くに住んでいる人だった。


だから、いつもはいちいち殺人事件の新聞記事なんて全文読まないけれど、この事件だけは追っていた。興味深い記事が載っていたので紹介したい。


南日本新聞の4月25日の朝刊より。ちなみにネットにも記事がアップされてた。
ソースはhttp://373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=10362

姶良運転手殺害 「鹿児島で殺人願望」/容疑の自衛官
出会った女性が影響

 姶良町脇元の国道10号で22日未明、タクシー運転手神薗三郎さん(58)=鹿児島市坂之上6丁目=が殺害された事件で、逮捕された陸上自衛隊練馬駐屯地(東京)所属の東京都練馬区自衛官少年(19)が県警の調べに対し、「4月初旬にJR鹿児島中央駅で知り合った女性と話すうちに、死や死刑に興味を持ち、人を殺してみたい気持ちになった」と供述していることが24日分かった。
 3月下旬に駐屯地から失跡した理由については、「入隊したときから早く辞めるつもりだったが、なかなか言い出せなかった。3月の異動内示で決意した」と供述。失跡後、行動を共にしていた同僚自衛官(19)を誘い、駐屯地を抜け出したらしい。
 県警の調べによると、駐屯地を失跡した2人は、京都、広島、福岡を転々。3月末に鹿児島市にたどり着いたが、数日後の4月初めには別行動を取るようになった。その後、女性と知り合ったらしい。
 一方、同僚自衛官は、4月中旬立ち寄った親類宅で、別行動を取るようになった理由を、「(逮捕された自衛官に)携帯電話を壊され捨てられた。怖くなった」と話していたことも県警の調べで分かった。
 自衛官は「居場所が特定されないよう携帯を壊し、鹿児島中央駅ビルのごみ箱に捨てた」と供述。タクシー車内に残されていた自衛官のリュックサックには失跡するためのマニュアル本が入っていたという。
 これまでの調べによると、自衛官は事前に東京都内で購入したサバイバルナイフ(刃渡り10数センチ)で、神薗さんの首を複数回切り失血死させた疑い。調べに対し「人を殺したかった。死刑になりたかった」と供述している。」


関心をひいたのは一段落目。
「「4月初旬にJR鹿児島中央駅で知り合った女性と話すうちに、死や死刑に興味を持ち、人を殺してみたい気持ちになった」と供述している」という。


少年はいったい何時何処で、この女性と話をしたのだろうか?
この女性は少年にどんな話をしたのだろうか?
この女性は少年にどんな顔で話をしたのだろうか?
この女性は少年にどんな目で話をしたのだろうか?


この新聞記事からは詳細はよく分からない。少年が警察に嘘をついているのかもしれない。本当だとしても、上の疑問もはあくまで女性が少年に死や死刑に直接興味を持たせるような話をしたとする強引な仮定のものである。しかも、後ろ3つの疑問は、かってに女性を主体にするという卑怯で興味深いレトリックまで使っている。


しかし、その強引な仮定の上にあえてたつと、この女性に大変興味を覚えるのもまた事実なのだ。
まるで小説に出てきそうな魔性の女。
神秘的な女。
悲しい女。
あきらめた女。
知っている女。


女性は少年にどんな話をしたのだろうか?


《20080427の記事》