「組織力」の経営(日本のマネジメントは有効か)

組織力」の経営(日本のマネジメントは有効か)
慶應戦略経営研究グループ 中央経済社


 うちの大学の現代企業経営論の教科書。


私がなぜ経営学に興味を持ったのかというと、経営学が、「人」や「集団としての人」の本質を暴きうる最適な学問の一つだと考えたからだ。経営というのは利益を出すという一つ法則の元で、人をいかに構成し、行動させ、管理するかという問題の最適化を目指すものだ。この厳しい競争社会でうまくやっている経営は、必然的に人をうまく管理していることになる。


 人を管理し、ある社会を構築するということは人の最たる特徴だ。だからその最適化を目指す経営学は、突き詰めれば突き詰めるほど人の本質を暴くこととなるだろう。


 本書で紹介されているように、企業のなかには、学問的に研究された成果を元に、組織作りをしているところがあったことがちょっと驚き。


 またその成果も進化心理学的に考えて実に正統なものだった。経営論からは、人間の本能は社会の中でうまく立ち回るよう淘汰圧が働いた結果発達したものだ、という進化心理学の成果と合致するような組織作りのアイデアがたくさん読み取れた。


 私的には進化心理学の正しさと応用を発見して、それが一番満足w。


《20060409の記事》