マイナス・ゼロ

マイナス・ゼロ
広瀬正 河出書房新社 S52 3 15


 論理見事にタイムマシンによる輪廻を描く。おもしろい!!文句なしにおもしろい!!


 タイムパラドックスという言葉をご存じか?SFでは有名な話題である。過去にいき、その世界に干渉し、自分があった世界と違う過去にしてしまったらどうなるのか!? 例えば自分の親を殺したとする。すると自分は消滅する?それともただ、違う未来が導かれる?


 そんなタイムパラドックスをあつかったSFの超定番。


 その骨子は緻密なタイムループ。まさに純SF的。それが妙に懐かしさを喚起させる昭和初期の空気の中、愛らしい数々のキャラクターの中描かれる。しかも爽やかなラブストーリーつき。

 
 さてはて戦後数十年たった日本、主人公は東京大空襲のさなか最期を迎えた先生から言われた、約束の場所に行くと、、、そこには少年の頃恋心をいだいていた、行方不明の女の子が当時の姿のままいて、、、。

 
 マイナス・ゼロに終わり、プラス・ゼロで始まる。そんな魅惑の輪っかへどうぞ。



※ http://www.geocities.jp/sforest/content/mz.htm
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《20060520の記事》