赤が赤である生の質感について
世界の成り立ち、地球の神秘、生命の驚異、複雑システムの仕組み、人間性の根元 などなど、、、、、、。
多くのことを明らかにした進化生物学、進化心理学。
その概念的仕組みは結構シンプル。意志なき無方向な変異と、環境による変異の選択。そして変異の遺伝。
これらが備わったとき、複雑怪奇なシステムの歯車は回り出す。
こうして、世の中の神秘が解き明かされたかに思われた。
しかし!しかし!!
進化論には重大な弱点があった。
進化論は赤が赤であることを説明していなかったのだ!
赤とは何か?
それはある一定領域の波長の光でしかない。
それを赤と認識し、その質感をリアルに表出させるのは、私の神経系だ。
なにゆえ赤?
赤に伴う種々の直感・感覚、例えば恐怖心、闘争心、血的興奮は進化論で説明がつくだろう。
しかし、赤が赤であるこのリアルな質感は、つまりある特定の波長の光がなにものでもない赤である生の質感は、進化論では説明がつかない。
もし例え、全ての神経系における原子分子の流れ、化学反応が全て明らかになったとしても、それは赤が赤である生の質感の起源・仕組みは明らかにしているとはいえない。
私たちはこのような起源不明・仕組み不明の生の質感に満ち満ちている。甘さ、辛さ、しょっぱさなどにおける味覚。赤、黒、緑などにおける視覚。ド、レ、ミと名付けられた音階、またはあなたの声などにおける聴覚。卵の腐った臭い、温泉のにおい、森林のにおいなどにおける嗅覚。リンゴの手触り、鍋の熱さ、刺さった木ぎれになどおける触覚。その他、あまり一般的でないさまざまな感覚たち。愛するという感情だって!
これらの生の質感はすべてでどころ 不明 だ。
彼らはどこからやってきたのか?
そしてどこへ行くというのか?
《2006/09/02の記事を転載》