メディアの仕組み
内容、出版者ウェブサイトより
ニュース解説でお馴染みの池上彰氏とウェブメディア界の寵児と謳われる津田大介氏がメディアについて徹底解説します。情報を精査する目を養い、正確なニュースと事実を知るために必読の一冊。
ネットなんてわからない世代も、もはや新聞なんて読まない世代も読むべき、現代日本の<メディアの取扱説明書>です。
テレビ・新聞・ネットを読み取る力、授けます!
感想
著者二人の対談を書籍化したもの。
個人的に既知の内容がほとんどであったが、よく考えると、特にネット上における津田氏の主張からいろいろ学んできたなあ、と思った。はてなブックマーク経由では最近、氏の話を聞かない。読みやすく、メディアに興味のある人にとっては、メディアの問題点と現在起きている変化を、さくっと復習できる本だろう。
メモ
・NHKは原発事故が起きたときにも対処できるよう、以前から原子力発電の専門家を養成し続けていた。
・大手メディアは、政策報道に比べ政局報道が多い。政策報道はたくさん勉強しメリットとデメリットを整理して、さまざまな利害関係者に取材しないといけない。一方、政局報道は政治家と親しくなればある程度できる。楽。だから日本の大手メディアには政局報道が多い。
・TBSも毎日新聞社も、すでに不動産収入で会社をまわしている状態。
・アラブの春について
ツイッターやフェイスブックをきっかけとして市民の不満から運動が起きた。それを衛星放送のアルジャジーラがより拡散させた。アラブの春はこの2つの媒体がそろって起きた。
・大きな災害が起きたときにはデマがつきものである、と心に留めておくことが大切。
・最初から「正しい情報」と「間違った情報」を見分けられる人はいない。「実は分かっていないんじゃないか」という恐れをもつことが、メディアリテラシーにつながる。
・津田氏の運営する政治メディア、「ポリタス」について
津田氏:「政策上のさまざまな論点を洗い出して、「こんな意見があります。あなたはどう思いますか。あなたであればどんな選択をするのかを考えてください」と、論点を明確にした上で問いかけていくような、そんなメディアにしたい。さらに、ただ考えるだけではなくて、例えば「この政策に反対したい人は、この議員に電話しましょう」「この政治活動に賛成したい人は、ここにお金を振り込むと、まじめに活動している団体に行きますよ」といったように、実際の活動への道筋をつけるかたちにしたいんです。(中略)「行動」にまでつなげる仕組みを作りたい。ネットメディアの可能性はそこにあると考えています。」
(スカイコミュ注:「ポリタス」はいわゆる左の方の意見ばかりが載っているが・・・)