県庁の星
〔あらすじ〕
小学校の時からずっと成績優秀できた、がちがちのエリート県庁マン野村聡。そんな彼は、研修のため民間のスーパーに一年間派遣されることになる。ところが派遣先のスーパーは、古くて捨てるべき食材を加工してコロッケにし、また店員もさぼろうさぼろうとしているとんでもない三流スーパーだった。
そして派遣先にて待つは、裏店長と呼ばれる行動派パート、二宮泰子。機転も利かず、ろくに接客もできない野村の世話役だ。
そんな野村と二宮の視点を交互に交えながらつづられるハチャメチャな、スーパーの改革ストーリー。
〔感想〕
期待はずれ。
中途半端に受けを狙っているよう。公務員が民間スーパーに派遣される！！、というとてもいい着眼点なんだから、まじめな話にするのか、もっと極端に受けを狙うのか、はっきりしたほうがいい。どっちつかず中途半端で、いい題材がぜんぜん生かされていなかった。
それに県庁やスーパーの裏話がほとんどない。綿密な取材を通した裏話を、読者は期待していたのではないか。「公務員」という仕事柄から来る県庁の問題点、「民間」という仕事柄から来るスーパーの問題点、それらが見えてこない。
ただ、ダ○エーでバイトしていたこともあって、スーパー内部の描写には好感と懐かしさを感じた。こんな気持ち、経験しないと分かんないだろうなあ。
《20060512の記事》
