確率と統計(不確実性の科学)
確率と統計(不確実性の科学)
ジョン・タバク 松浦俊輔訳 2005 11 7 青土社
〔本書より、確率について琴線に触れたこと〕
確立というのは数学の部門としては比較的新しい。算術(ものを数えたり計算すること)や幾何学(形の特質を読み取ること)のように人間活動の原初に関わっていないからだ。算術や幾何学は人がものを考えるようになったとたん、考え始めたといえるだろう。各種の壁画や古い文献を見ても、古の人々が驚くほど、算術や幾何学に対する見識を持っていたことが分かる。しかし、確立という概念を理解するにはある種のステップアップが必要なのだ。
実際、最初にさいころの確立について書いた人も、ランダム(正確な予測ができない)に神の意思をみていた。たがために偶然の出来事の頻度の意味を深く考察できなかったのだ。
神の意思から確率へ。確率という概念及び数学部門の誕生・発達には、予見できない現象についての新しい「認識のしかた」が必要なのである。
〔統計学とは〕
「統計学とは、それを用いればデータを効率的に集め、そのデータが何を意味するかわかるようにするための学説と技法」
《20060511の記事》