入来のさと


清色城にて。
子どもが木登りできるようにか、縄が吊してあった。
永い間、雨風をうけた縄は美しい。木肌に生えている苔も、世界の風化を祝福している。
あの縄を手にとる子らは、あと何年いるだろう?


清色城は、鹿児島県薩摩川内市入来町にある中世の山城。
曲輪や堀が比較的よく残っている。


入来は、江戸時代の武家屋敷の石垣がよく残っていることでも有名だ。
入来を歩いていると、このさとの構造がよくわかる。
町の前面には川があって、天然の防壁となっている。
背後には山城。そのふもとには権力者の屋敷。
そしてそれと川との間に、武家屋敷が広がっていた。