生後三日のヤギは宇宙

双子だった。一匹は生まれてまもなく死んだ。


僕が近づくと、すぐ母親の陰に隠れようとするんだな。
壁から向けられた白熱電球が暖かい。人間がつくったものも、ときとして悪くない。
陰影をまとった雲がまわる。小屋の外は雨だった。
フィラメントが包むこの小さな世界に、僕の知ってる宇宙はある。