なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか

なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか
若宮 健 2010 祥伝社

内容、折口より

韓国がパチンコを禁止したことを、日本では筆者が始めてリポートしたが、それを報道した日本のマスコミはない。その上、韓国以上に被害が大きい日本で、なぜ違法な状態のままでパチンコが長年放置され続けているのか、素朴な疑問が深まるばかりである。
なぜ韓国がパチンコを禁止できたかを検証したくて、その後、何度も韓国を訪れた。その度に浮かび上がってくるのは、韓国と比較して救いようのない日本の現状である。パチンコの問題に、この国の政治、行政、マスコミの実態が凝縮されている。
なぜ韓国はパチンコを廃止でき、日本はできないのか。この問題を、日本人も真摯に受け止める必要がある。

感想

○議論がすごく雑。いい加減。

○パチンコで借金をしたり、生活を崩壊させた例がちょこちょこ出てくるが、実数や割合としてのデータが欲しい。

○韓国がパチンコを禁止にできたのは、著者曰く、マスコミがその害を報道し、それを政治家もきちんと受け止めたからとのこと。う〜ん、パチンコ業界のバラマキが足りなかっただけでは? まあ、それはいいとしても、これにひっかけてろくに理由も付けずに、何でもかんでも韓国を持ち上げている。その姿勢に辟易した。

○日本がパチンコを禁止できないのは、パチンコ業界と行政(警察)、マスメディア、政治家、の癒着があるからだろう。本書でも指摘しているし、ずっと指摘され続けてきた。やっぱよくないよこんなの。一人一人が声を上げて、この癒着の構造を引きはがしていくべき。

 それにしても、このパチンコ業界の規模の大きさに目がくらくらする。パチンコ業界全体の年間売上高は21兆。p159 業界最大手のマルハンの売り上げが2兆で、ユニクロのそれが5000億だぜ。p184

僕のパチンコに対する考えは小飼弾氏に強い影響を受けた。

エロマンガの市場は、多めに見積もっても数百億円オーダーであるが、パチンコは腐っても二〇兆円。エロマンガの買い過ぎで多重債務者になったんて聞いた事がないが、パチンコのそれは少なく見積もっても8万人。そしてなにより、エロマンガは凶悪犯罪を増やしている証拠がないどころか減らしている可能性さえ否定できないが(「電波男本田透に至っては、「なければ凶悪犯になっていた」とまで公言している)、パチンコは中毒になった本人のみならず、その周りの人々にまで被害が出ているのである。

それでも私は、パチンコが悪だという見方はしない。

ただ、危険なだけなのである。フグやF1と同様に。

危険は即悪ではない。それを知った上でなお楽しみたいという大人には、コストを支払った上でスリルを味わう自由と権利があると私は考える。中毒の危険がある大人の嗜好品としては酒とタバコがあるが、酒の市場は4.5兆円、タバコのそれは1.5兆円。額面上はこの二つをあわせた三倍も、パチンコは危険だということになるが、そこまで危険であり続ける必然性がパチンコにはあるのか?

あなたはファミレスでフグにあたりたいのか。毎日モナコGPを通学路でやってほしいのか。

それだけのことである。

パチンコが「このままでいいわけがない」理由
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51564648.html

パチンコは強く規制すべきだ。少なくとも駅前やロードサイドといった身近なところで、庶民が大金を賭けられるようにしてはいけない。