尖閣諸島をめぐる、日本と中国との対立をみて考えたこと

 2010年9月7日、尖閣諸島近辺で、中国漁船が海保の巡視船に衝突してくる事件がおきた。日本は船長を逮捕したが、中国の激しい抗議にあう。船長は結局、処分保留で釈放されることになった。


 この事件については、ネット上でも、さまざまな言及がなされている。中国内部の権力争いが指摘されたり、中国の領土紛争地域に対する典型的なアクションであると指摘したり、、、


 僕は、今回の事件を通し、日本国民として、日本の国益を守る上で、この事件について考えたことを少し列記したい。


①日本政府はもっとナショナリズムを高めるべきである。


 中国の強硬な姿勢は、中国国民の、強力なナショナリズムに負っている。だからあれだけ強硬な姿勢を取れるし、強硬な姿勢をとらざえるを得ないわけだ。国益の観点からすれば、中国の姿勢は正しい。尖閣諸島を実効支配できなくても、強力なナショナリズムを背景に、強力な外交カードにできるだろう。
 ひるがえって日本はどうか?
 日本の言説をみると、自国の正しさを強調する国民の言説が少なすぎる。ある程度のナショナリズムが醸成されていないと、政府は外交交渉をする際、国益を重視した政策が取りにくい。他国に対し、国民の世論を背景にした強い態度に出れないのである。
 もちろん行き過ぎたナショナリズムは、自国への過剰な偏愛をうみ、他国に対する憎悪をはぐくみ、世界全体に対する視野を狭め、最悪の場合、戦争へと駆り立ててしまう。
 よってナショナリズムも、バランスが大事であるが、少なくとも今の日本の場合、国益の観点から、他国と同程度に、ナショナリズムを高めるべきであると考える。


②(①を実現させるためにも)日本政府は尖閣諸島竹島北方領土が、どうして日本領といえるのか国民に教育すべき。


 中国はどうなっているのか知らないが、韓国では、なぜ竹島が韓国領と主張できるのか学校教育の中で教育していた。対抗する上でも、日本も同じように、日本政府は尖閣諸島竹島北方領土が、どうして日本領といえるのか国民にしっかりと教育すべき。


③(①を実現させるためにも)自国の視点をもっと出して歴史を教えるべき。


 歴史というのはさまざまな視点から構成されるものである。本当は、全体の流れを見渡してつつ、さまざまな視点をうまく盛り込むのが良いと思う。しかし、それは難しい。やはりそれぞれの国は自分の国の視点を中心にして歴史教育をしがちだ。それは仕方が無いと思う。おそらくナショナリズムを醸成するために意図的にやっているのだろう。またその国の視点を代弁できるのは、その国だけだ。
 一方日本は、自国の視点が少なすぎると思う。バランスの良いナショナリズムを醸成するためにも、自国の視点(日本はどう考えたか? 日本の現状はどうだったのか? 日本の行動は他国と比較してどうなのか?)をもう少し出して、歴史教育すべきだと考える。


④中国の圧力は過剰である。


 抗議声明やデモ、社員旅行や各種友好行事の中止はまだしも、中国の圧力とみられている、レアアース禁輸や準ゼネコン社員の拘束は、やりすぎだと思う。このような外交手段を取る国と、深く付き合っていけるだろうか?
 特に、レアアース禁輸や遺棄化学兵器処理に従事していた準ゼネコン社員の拘束については、実際どのようなことがあったのか、日本は世界に向けて広く喧伝すべきだろう。


⑤周りの国と連携すべき。


 中国の過剰な圧力に今後対向するため、中国周囲の国々との連携を強化していくべき。特に中国と紛争問題を抱え、かつ今後の発展が見込まれるベトナムやインドとの連携を求めたい。