グーグルと中国が喧嘩している。グーグルを何らかの形で支援したい。

どうやら、グーグルと中国が喧嘩している。


Google、中国からの大型サイバー攻撃に中国市場撤退も」
http://jp.techcrunch.com/archives/20100112google-china-attacks/

Googleは、世界中の中国人権活動家のGmailアカウントに侵入するフィッシング攻撃が使われたことも発見した。この攻撃および中国政府によるウェブ上の言論統制の強化を受け、Googleは同社の中国用検索エンジンに、完全無検閲版を導入することを決定した。これは大きな変更である。2006年1月以来、Googleは中国政府に譲歩して、Google.cnに検閲付き(そして大きな議論を呼んだ)検索エンジンを提供してきた。Googleがこのゲームから手を引いたのだ。中国政府がもし、無検閲版エンジンを違法とすれば、Googleは中国での事業から完全撤退する可能性がある。」

そしてさっそく、グーグルは中国に対し殴りかかっているようだ。行動がいやに早い。そして過激。


天安門事件の「戦車の男」、中国で閲覧可能に グーグルの検閲中止発表後」
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/it/2682153/5160270

「1989年の天安門(Tiananmen)事件で戦車の列に1人で立ち向かう男をとらえた有名な写真「Tank Man(戦車の男)」が13日、米インターネット大手グーグル(Google)が中国当局の検閲を受け入れない方針を発表した数時間後に、検索サイト「Google.cn」から閲覧可能になった。中国当局は国内でこの画像を禁止している。」

 グーグルの決断には、アメリカ政府の後押しもあるのだろうか? 詳細はまだ明らかにされていないが、中国に検索サイトを展開するいくつかの企業の中で、グーグルが、中国の検閲をつっぱねたのには大きな拍手と尊敬の念を送りたい。
 中国共産党は、一党独裁を維持するため、新聞やテレビといったマスメディアをはじめ、強力な情報統制をしいてきた。検閲である。そしてそれは、中国に展開しようとする検索サイト運営会社にも求められていた。全てのデータを整理することを企業目的とするグーグルは、中国で展開する際、検閲を受け入れたのだが、それも苦渋の決断だったのだろう。
 中国共産党によって、中国でのビジネスを拒絶されれば、グーグルは大きな損失を被ると考えられる。莫大な人口、今後の成長性、今後世界経済の中心となるであろう。それでも、グーグルは、中国共産党による検閲を拒否しようとしている。単純に、グーグルは自由を尊重しているとはいえないが、大きなリスクを背負って、中国共産党による検閲を拒否しようとしているその姿勢に、大きな賛辞を送りたい。


 できれば、文字広告を経由して商品を買うなど、グーグルの存在を高めるような行動をとっていきたいと考えている。そういう形で、大きな英断をしたグーグルを支援したいのだ。


 アメリカ合衆国政府はかつて日本を統治していたとき、能動的に検閲を行っていた。しかもそれは、検閲を行っていることを隠したままだった。最も最悪な検閲の仕方だ。その点、戦前戦中の、大日本帝国政府による検閲より遙かにたちが悪い。
 アメリカは、単純に自由を尊重しているとは言えない。そのアメリカの法律に縛られているグーグルも同じだろう。やはり、一つの企業に、多くの情報が集積されるのは恐怖である。グーグルの経営者や社風も変わっていく。


 それでもしばらくは! 僕は、情報へのアクセスを尊重する今回のグーグルの英断に賛意を表明し、またグーグルの存在価値を高めるような行動をとっていきたいと思うのだ。